神戸新聞「奥さま手帳 」にノロウイルスの記事が掲載されました
神戸新聞を購読されているご家庭に、毎月届けられる「奥さま手帳」という小冊子があります。
兵庫県のグルメや旅情報の他、健康の知識が紹介されており、2022年9月にはわたしの「呑気症」についての記事が掲載されたこともあります。
今回、2024年12月号に掲載されたのは、毎年冬になると流行するノロウイルスのお話です。
ノロウイルスの感染でおこる急性胃腸炎については、過去のブログでも何度か触れています。
冬場に食べる生牡蠣を発端とし、そこからさらにウイルスに汚染された便や吐物を介してヒトからヒトへと広がるこの感染症。
冬場に起こる、急性の嘔吐・下痢(感染性胃腸炎)の原因の多くは、ノロウイルスだと考えられています。
新型コロナウイルスのパンデミックが起こった2020年には、手洗いの励行や外出・外食控えによってノロウイルスも鳴りを潜めていましたが、2021年以降はすっかり「コロナ前」に戻り、毎年冬場に流行しています。
2020年シーズン以降の感染性胃腸炎の流行状況:東京都感染症情報センター
今年の流行はまだまだこれからですが、NHKがまとめた感染性胃腸炎の感染者数の推移・全国比較最新ニュースによると、11月17日現在、兵庫県の感染性腸炎の感染者数は、1医療機関で4.26人と全国で9番目、関西では最も多い数値となっています。
感染性胃腸炎の感染症MAP(2024年第46週(11月11日~11月17日))NHK
発症すると激しい嘔吐や下痢に見舞われるため、慌てて医療機関を受診される方が多いのですが、ノロウイルスに対する有効な治療薬は今のところありません。
吐き気止めや下痢止めはかえってウイルスを体外に出す妨げになることもあり、われわれができることは脱水症状がひどい場合に行う点滴などの治療や、症状を少し和らげる漢方薬・整腸剤の処方ぐらいです。
基本的にはウイルスが体から出ていくとともに、数日で自然に治る病気ですので、罹ってしまった場合は家庭内や職場で感染を広げないように注意しながら、安静に過ごしましょう。
「ひだ胃腸内視鏡クリニック」院長 樋田信幸の公式ブログ
日本消化器内視鏡学会専門医
日本消化器病学会専門医、評議員
日本消化管学会胃腸科専門医
日本炎症性腸疾患学会IBD専門医・指導医