日帰りポリープ切除
40歳以上の方に大腸カメラを行うと、約半数に大腸ポリープが見つかると言われています。大腸ポリープにはさまざまな種類がありますが、「腫瘍性(できもの)」と「非腫瘍性(できもの以外)」に大きく分けられます。そして、大腸に見つかるポリープの多くが腺腫(せんしゅ)という腫瘍性のポリープです。腺腫は良性ですが、「将来の大腸がんの芽」、つまりがんになる危険性があるポリープです。
腺腫は大きくなるほどにがん化する確率が上がります。ですので、大腸カメラで見つかる6mm以上の腺腫を内視鏡で切除するべきという考えは世界共通です。
一方で、がんが含まれる可能性が低い5mm以下の小さな腺腫については、日本の内視鏡医の間で取るべきか、取らないで様子を見るべきかで意見が分かれています。
当クリニックでは、5mm以下の小さな腺腫であってもすべてカメラで切除してきれいな大腸(クリーンコロン)を保つようにすれば、大腸がんになる危険性が低くなるという欧米のデータに基づき、小さくても腺腫はすべて取ることを基本方針としています。最終的にポリープ(腺腫)の切除を行うかどうかについては、患者さまのご意思を尊重いたします。
当クリニックでは、検査の際に見つかったその場でポリープ(腺腫)を切除する「日帰りポリープ切除」を行っています。
日帰りポリープ切除は、患者さまの時間的および経済的な負担が少ない治療法です。1cm以下の小さな大腸ポリープは、「コールドポリペクトミー」という電流で焼き切らない安全性の高い方法で切除します。
1cm〜2cm程度までのポリープは、内視鏡的粘膜切除術(EMR)というポリープの下(粘膜下)に食塩水を注入して浮かしてから、電流を掛ける方法で切除します。
ポリープ1個につき処置にかかる時間は3分〜5分程度です。切る際に痛みや不快感はございません。治療後数日程度は、お食事や運動などに気を付けていただく必要があります。
2cmを超える大きさのポリープ(腺腫)、粘膜の下まで入り込んでいる可能性がある早期大腸がんについては、クリニックで切除することが困難な場合があります。その際には、連携施設で適切に対応していただくよう、ご紹介させていただきます。