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世界のコロナワクチン接種と感染の状況

世界のコロナワクチン接種と感染の状況

日本の新型コロナウイルスの感染状況は思わしくなく、今は第4波のほんの入り口といったところでしょう。

Googleの新型コロナウイルス感染症統計情報より

 

しかも、とくにここ関西を中心に感染力が強いとされる変異ウイルスが広がっており、緊急事態宣言後の気のゆるみ(・・・と言うか我慢の限界)、春休み、歓送迎会にお花見シーズンも相まって、今後あっと言う間に第3波を大きく上回る感染の波にさらされる可能性が高いと思っています。

 

中途半端な緊急事態宣言では同じことの繰り返しになることは予想していた通りで、週明けから適応されるさらに中途半端な「まん防」ではきっと焼け石に水。

さらに厳しい状況になることは、残念ながら避けられそうにありません。

 

では、頼みの綱であるワクチンの接種が進んでいる世界各国の状況はどうなっているのでしょうか?

 

世界全体の累計ワクチン接種回数は4月1日までに5億9698万回を超えました。

ただし、現在承認されているワクチンによる免疫獲得には2回の接種が必要ですので、単純な接種回数だけでなく、必要な回数の接種を完了した人数も重要になってきます。

 

世界で最もワクチンの接種が進んでいるイスラエルは、人口100人当たりの接種回数が110.8回、2回の接種を完了した人は人口100人あたり52.9人で、すでに国民の2人に1人以上が接種を完了しています。

 

では、イスラエルのコロナの感染状況は・・・

Googleの新型コロナウイルス感染症統計情報より

 

第2波が見事に終息してきているように見えます。

ワクチン接種済みと未接種の60万人ずつの集団を比べた結果、接種済みの集団はコロナの発症が94%少なかったということで、大規模な集団でのワクチンの効果が実証されました。

ピークの1月中旬と比較して、現在の1日当たりの死者は85%減、重症者は72%減、感染者は86%減となり、徐々に通常の生活を取り戻しつつあるとのことです。

これを見ると、ワクチンによる集団免疫獲得という新たな試みに期待が持てそうですね。

 

自国でワクチンを開発したイギリスは、現在人口100人あたりの接種回数53.5回という状況ですが、感染の状況は・・・

Googleの新型コロナウイルス感染症統計情報より

 

やはり、こちらも新規感染者はかなり減ってきています。いまだに1日に3,402人という少なくない人数ですが、ピークは1日で68,053人でしたから。

ただし、英アストラゼネカ製のワクチンで、接種後にごく稀ですが血栓症を発症する方がおられ(頻度は18万人の接種で30人=0.00016%)、7例の死亡も報告されています。やはり危険性はゼロではありませんが、今のところコロナに罹って命を落とす危険性から身を守るという有益性の方が上回ると判断されています。

 

実は南米のチリも、人口100人あたりのワクチン接種回数55.2回、人口の20%程度が2回の接種を完了したというイギリス以上に進んでいるワクチン先進国なのですが、感染の状況はと言うと・・・

Googleの新型コロナウイルス感染症統計情報より

 

・・・いまだに感染が拡大、しかも急増しています。

いったいなぜなのでしょうか?

 

世界保健機関(WHO)は、ブラジル型などの変異ウイルスが影響している可能性もあるが、ワクチン接種が進むにつれて市民に気の緩みが生じ、感染予防の対策がおろそかになったのではないかとの見方を示しています。

ワクチンによってもたらされた安心感が大きな油断の要因となり、さらに感染が広がる可能性もある・・・集団免疫獲得への道のりはそう簡単ではありません。

 

さて、我が日本のワクチン累計接種回数は105万112回。人口100人当たりの接種回数はたったの0.8回で先進国では最も遅いという、情けない状況です。

実際には、最前線の病院で働く一部の医療従事者がやっと1回目を接種したというところでしょう。地域によって違いがあるようですが、クリニックなどの医療従事者には4月中頃からやっと接種が始まり、10週〜12週かけて順次接種が進むとのことですので、わたし自身はいつになることやら?

このままだと、夏ぐらいになりそうな感じです・・・

1日でも早くリスクの高い高齢者や基礎疾患をお持ちの方へのワクチン接種が進むと良いのですが、当面の間は出来る限りの感染対策でなんとか凌ぐしかないでしょう。

 

コロナはこんな状況ですが、病気は待ってくれませんので、胃腸の病気の診療や検査を受けることは決して「不要不急」ではございません。これからも、皆様により安心してクリニックにご来院いただけるように感染対策を行ってまいります。

ホームページのお知らせにも挙げましたが、これまでのアルコール消毒、検温、空気清浄による感染対策に加えて、さらに換気を強化することにしました。

もともと、医療ビルという形態のわりに窓が多く、強力な換気扇も設置されているという環境でしたが、クリニック入り口の自動ドア、待合室・相談室・処置室の窓を常時開放し、待合室に強力なサーキュレーターを設置することで空気を常に循環させるようにしました。

これからの暑い季節にはご不便をお掛けすることもあるかと存じますが、マスク着用、検温、手指消毒なども含め、今後も引き続き皆様のご理解とご協力をお願い申し上げます。

 

西宮市田中町5-2西宮駅前メディカルビル3F

「ひだ胃腸内視鏡クリニック」院長 樋田信幸の公式ブログ