第2回ひだまり会「仕事とIBD」②
ひだまり会の第1部では、「仕事とIBD」についてのわたしの講演をベースに、みなさまの体験談やご意見をお伺いしながら、「治療」と「仕事」をいかに両立させるかについて一緒に考える場にしたいと思っています。
ご意見をいただき、討論したいテーマは次の5つ。
① 働くうえで困ることは?
② いつ・誰に伝える?
③ どうやって理解してもらう?
④ どんな配慮が必要?
⑤ 働きやすい職場とは?
① 働くうえで困ることは?
IBDの調子がよくないときに起こる仕事中や通勤中のトイレ・腹痛・疲れやすさといった問題だけでなく、食事や飲み会などのお誘いが困る、通院のための時間が取れない・・・といった、実際に働くうえで困っている事情についてお聞かせください。
② いつ・誰に伝える?
「いつ」についてはIBDを発症された時期にもよりますが、入職時に伝えるべきか、落ち着いている場合には問題が生じてからでよいのかなど、さまざまなご意見があると思います。
また、「誰に」については、上司だけなのか、同僚や後輩までみんなに伝えるべきなのかについて、それぞれお考えがあるでしょう。
「伝えることによる不利益」や「プライバシー」を考えてそもそも誰にも伝えないという方もおられるでしょうし、逆に伝えないことで「配慮が限定」されてしまうこともあります。
どうやってこのバランスをとるのがよいのでしょうか?
いつ・誰に伝えるべきかについて、みなさんと考えたいと思います。
③ どうやって理解してもらう?
IBDという病気のことを、どうやって伝え、理解してもらうかも悩ましいところです。
産業医が在籍する会社では、まずは産業医に伝えて相談するのが基本になります。
ただ、一口に産業医といっても熱心な常勤から、年1回の検診で顔を合わせるぐらいの「名ばかり」までさまざま。
さらに、IBDに対する専門知識は有していない方がほとんどだと思われます。
また、社員が50名以下の企業にはそもそも産業医がいませんので、人事部や総務の担当者あるいは上司に、自ら伝えなければなりません。
「誤解」や「偏見」を生まないようにIBDという病気について理解してもらうにはどうしたらよいのかについて、考えたいと思います。
④ どんな配慮が必要?
治療と仕事の両立していく上で必要になる配慮は、作業時間に対する配慮、作業強度や内容に対する配慮、人間関係やメンタルの問題に対する配慮など、抱えている問題によって人それぞれ違います。
また、会社に配慮をお願いしても、受け入れられないこともあります。
会社は営利団体ですので、働くという本質を変えずに落としどころをみつける話し合いが必要です。
そして、配慮され過ぎても、周りの人との公平さに欠けたり、特例を認めることになったり、レッテルを貼られて今後のキャリアの妨げになることもあり得ます。
病気が落ち着いた「寛解」の時には、しっかり働けることもアピールしながら、いかに必要な配慮をしてもらうのかについて、話し合いたいと思います。
⑤ 働きやすい職場とは?
IBDを抱えながら働きやすいのは、どういった職場なのでしょうか?
フレックスタイム制、リモートワーク、中抜け制度など、治療との両立に使える会社の制度を知っておくことも、職場を選ぶ上で大切です。
難病相談支援センターやハローワークの難病患者就職サポーターなど、難病のある人の就労支援を行う機関にも相談できます。
みなさまからも、これから就職する人、転職を考えている人にとって参考になるご意見をいただければと思います。
討論といっても、無理やり発言を求めることはいたしません。
ただ耳を傾けているだけでも大丈夫ですので、どうぞお気軽にお越しください。
また、第2部では交流会を予定しています。
仕事以外のことも、患者さん同士でざっくばらんにお話しください。
(第一部が盛り上がると、十分に時間が取れないかもしれませんが・・・)
それでは、3/24にお待ちしています。
気を付けてお越しください。
「ひだ胃腸内視鏡クリニック」院長 樋田信幸の公式ブログ
日本消化器内視鏡学会専門医
日本消化器病学会専門医、評議員
日本消化管学会胃腸科専門医