夜眠れない・・実はGERDのせいかも?
胃食道逆流症(Gastroesophageal reflux disease : GERD ガード)とは、主に胃酸が食道へ逆流することにより、食後に胸やけや酸っぱい液体がこみ上げるなど、胸のあたりに不快な症状を感じる病気です。
GERDは、これまで日本ではあまり多くない病気だと考えられていました。
ところが、食生活の欧米化や、ピロリ菌の感染が減って胃炎のない胃酸の分泌が活発な元気な胃を持つ人が多くなってきたことなどから最近とても増えており、今では成人の5人〜10人に1人がGERDを持っていると言われるまでになっています。
胃の粘膜は胃酸に直接触れないように粘液などで守られていますが、食道の粘膜にはそのような防御機能がありません。ですので、胃酸が食道の方に逆流してしまうと、痛みを感じたり、炎症が起きたりします。
GERDの中でも、内視鏡検査で食道に炎症がみえる場合を逆流性食道炎(びらん性胃食道逆流症)と言い、胸やけなどの症状があるのに内視鏡では食道に異常がまったくみられない場合を非びらん性胃食道逆流症(NERD ナード)と呼んでいます。
GERDの自覚症状は胸やけだけでなく、多岐にわたります。
心臓の病気と同じような胸の痛みを感じたり、背中の痛みや肩こりを訴えたりすることもありますし、のどの違和感や声のかれ、慢性的な咳が続く、中耳炎を繰り返すといった耳鼻科の病気のような症状の原因がGERDだったということもしばしばあります。
また、夜間の寝汗やぐっすり眠れないといった症状にも関係することが指摘されておりますので、不眠症の方は安易に睡眠薬に頼る前に、しっかりと胃腸の専門医に診てもらう方が良いかもしれません。
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「ひだ胃腸内視鏡クリニック」院長 樋田信幸の公式ブログ