呑気症③ どうやって治す?
呑気症によるお腹の張りや不快感、ゲップなどの症状を改善するにはどうすれば良いのでしょうか?
実は、これがそう簡単なことではないのです。
呑み込んだ空気が原因なので、胃カメラや大腸カメラを受けても異常は見つかりません。診察した医師は大抵「とくに心配ないですよ。一応、お薬を出しておきますね。」と、胃酸を抑える薬、胃腸を動かす薬(消化管運動亢進薬)、消化剤、整腸剤などの処方を行います。ところが、これらのお薬を試してみても、効果はあまり感じないでしょう。
患者さんからは、「ガスを消すお薬って無いのですか?」と良く聞かれます。消化管内ガス駆除剤(ガスコン)なるものもあるのですが、せいぜい胃腸の泡を消すぐらいの感じなので、効果は限定的です。空気を消す魔法のような薬は、残念ながら存在しません。
ですので、症状を改善するためには「根本を断つ」、つまり空気を呑み込んでいることを意識し、自らその癖や呑み込みが生じる環境を直すことが大切になります。
(1)ストレスを解消する
最大の原因はストレスです。・・・と、分かっていてもそう簡単にストレスフリーの生活なんてできないですよね。
毎日の生活の中で少しずつでもストレス解消を図ることが大切です。とくに散歩やウオーキング、買い物、友人と会うなど、外に出て気分転換することは自律神経のバランスを保つ上でも有効です。
仕事や人間関係などによる過度なストレスが原因となっている場合は、心療内科などで抗不安薬や抗うつ薬の服用について相談することも必要になります。
(2)噛みしめ癖を直す
パソコン、スマホ、読書、家事などを長時間続けていると、無意識にうつむきの姿勢になり、歯を噛みしめていることが少なくありません。軽く口を開けた状態にしていると、唾も空気も絶対に呑み込めませんので、意識して軽く口を開けておくか、奥歯を噛みしめないように心がけましょう。ときどき深呼吸をして噛みしめを解消する習慣をつけるのも、良い方法です。
また、朝起きた時点ですでにお腹が張っている、さらに頭やあごが痛いという人は、寝ている間に無意識に噛みしめや歯ぎしりと同時に空気を呑んでいる可能性があります。歯科や口腔外科でマウスピースを作ってもらい、噛みしめ癖を直すという方法もあります。
(3)食事に注意する
早食いをすると、食べ物と一緒にたくさんの空気を呑み込むことになります。とくに、飲み物やスープ、麺類の汁などは、ズルズルすするように飲むと、空気をたくさん飲んでしまいます。食事は、よく噛んで、ゆっくり食べることが大切です。ガス(二酸化炭素)を含む炭酸飲料も控えるべきです。
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「ひだ胃腸内視鏡クリニック」院長 樋田信幸の公式ブログ