エンタイビオの新たな投与方法:皮下注射
先週のブログは、難治性潰瘍性大腸炎の治療薬が新たに加わり、患者さんに説明する際の用紙を刷新したというお話をしました。
実は、新薬のスキリージ以外に変わったことがもう一点。
これまで、点滴で投与していたエンタイビオに、皮下注射という選択肢が加わりました。
エンタイビオの皮下注射製剤自体は昨年から使用可能だったのですが、2週毎に受診してクリニックで投与する必要があったため、これまでは現実的に患者さんが使うメリットがあまりなかったのです。
この度、エンタイビオ皮下注射製剤の承認から1年が経過し、2024年6月から皮下注射を自ら自宅で投与する「自己注射」という方法が選択できるようになりました。
エンタイビオの点滴製剤を2回以上投与し、有効性がある方については、点滴から皮下注射(自己注射)に切り替えることが可能です。
「自分で注射なんて・・・」と不安に思われる方もおられると思いますが、皮膚に押し当てるだけのとても簡便なアクションで投与できるペン製剤がありますので、心配無用。
学業やお仕事などが忙しく、2か月毎のエンタイビオ点滴のタイミングできっちりと定期的に受診することが難しい方については、自己注射へ切り替えることで、来院のタイミングをフレキシブルに変えることができるようになります。
また、院内で点滴するために拘束される時間がなくなること、2か月毎の点滴に比べて2週毎に皮下注射することで体の中のお薬の濃度がより安定し、よい状態を維持しやすくなることもメリットです。
現在、当クリニックでは23名の潰瘍性大腸炎の方がエンタイビオを点滴で投与しています。
皮下注射への変更にご興味がある場合には、お気軽にお声がけください。
「ひだ胃腸内視鏡クリニック」院長 樋田信幸の公式ブログ
日本消化器内視鏡学会専門医
日本消化器病学会専門医、評議員
日本消化管学会胃腸科専門医
日本炎症性腸疾患学会専門医・指導医