お酒は鍛えると強くなるの?
お酒に弱い人が「鍛えると強くなるんだ!」と言っているのは本当なのでしょうか?
実は、アルコールの分解には主に働くALDH2だけでなく、シトクロムという別の肝臓の酵素も関わります。飲み続けている内にお酒に強くなったという方は、恐らくこの2番目の酵素の働きが活発になっていることが考えられます。
ただし、これは日常的にアルコールという有害物質が体に入ってくるのに対応して、無理やり肝臓ががんばるようになっただけで、お酒に弱いという根本的な体質(=アルコールを分解する力が弱い遺伝子を持っている)が変わったわけでは決してありません。
このように、もともとは弱いのにお酒に慣れてしまったという人に、「お酒で顔が赤くなりますか?」と尋ねても、「赤くならないよ。」と答えてしまうことがあります。
「かくれフラッシャー」とでも言いましょうか。
この「かくれフラッシャー」を見破り、お酒が飲める体質なのかどうかを正確に判定するためには、本当は遺伝子の検査が必要なのですが、そう簡単には行えません。
そこで、国立アルコール症センター久里浜病院などの研究グループが開発したのが、「簡易フラッシング質問紙」です。
質問はたったの2つです。
① 現在、ビールコップ1杯程度の少量の飲酒ですぐ顔が赤くなる体質がありますか?
はい、いいえ、わからない
② 飲み始めた頃の1~2年間は、ビールコップ1杯程度の少量の飲酒ですぐ顔が赤くなる体質がありましたか?
はい、いいえ、わからない
2問のいずれかに「はい」と答えれば、お酒に弱い体質(フラッシャーまたは下戸:ALDH2遺伝子が弱いタイプ)と判定します。
「現在」と「飲酒開始から1〜2年間」の2つの時期で同じ質問をするのがミソで、9割の確率でお酒に弱いかどうかを把握できるすぐれた方法です。
これで、「かくれフラッシャー」も見つけることができるのです。
「オレ(ワタシ)は、お酒に強い」と思っている人でも、一度飲み始めた20代のころにどうだったのかを思い出してみてください。
アセトアルデヒドは万人にとって有害ですが、お酒に弱い人にとってはさらに毒です。
もともと顔が赤くなる体質なのに「飲めるようになったー!!」と喜んで、大量に飲酒する人が、一番食道がんや大腸がんなどになる危険性が高いということを忘れずに。