GERDはどんな人に起こりやすい?
6月25日のブログで胃食道逆流症(Gastroesophageal reflux disease : GERD ガード)のことを少し書きましたが、続きを書こうと思いつつ早1か月・・・
日々の準備にバタバタしているのはありますが、毎日ブログを書いていたのが嘘のよう。
ダメですねぇ・・・
胃と食道の境目に当たる噴門は、食べ物や胃酸が胃から食道に逆流しないように筋肉(下部食道括約筋)でキュッと絞められています。
この筋肉の力が緩んでしまうと胃酸が食道に上がり、GERDになりやすくなります。
では、どんな人にGERDが起こりやすいのでしょうか?
1.早食い&食べ過ぎの人
早食いの人は、食べ物をよく噛まずに飲み込んでいます。そして食べ物だけでなく、空気も一緒にたくさん飲み込んでしまっています。
早食い、そして食べ過ぎたあとに出るゲップは、胃に溜まった空気を、噴門を一時的に緩めることで外に出す現象です。このときに空気だけでなく、胃酸も逆流しています。
2.脂っこいもの好きの人
食べ物に含まれる炭水化物は唾液で、タンパク質は胃液で分解されますが、脂肪はほとんど分解されないまま十二指腸に運ばれます。
十二指腸は脂肪を消化吸収するために、消化管ホルモンであるコレシストキニンを分泌します。ところが、このホルモンには胃の運動を抑えてしまう作用もあるのです。
脂っこいものを食べると胃がもたれるのはそのためです。
さらにコレシストキニンは食道括約筋を緩めるので、ゲップや胃酸の逆流を引き起こしてしまいます。
3.食べてすぐに寝る人
胃酸の逆流が一番起こりやすいのは食後の時間帯です。食べてすぐに横になると、胃が食道と同じ高さになり、食べ物や胃酸が食道に逆流してしまいます。また、逆流した胃酸は重力で胃に戻ることがないため長時間食道内にとどまってしまい、GERDが起こりやすくなります。
4.肥っている人、前かがみの人
肥っている、いわゆるメタボ体型の方は内臓脂肪で胃が圧迫されているため、胃酸の逆流が起こりやすくなります。年齢と共に腰が曲がって背中が丸くなった方、妊娠中の方、便秘の方も同じようにお腹の圧が高く、胃が圧迫された状態ですので、GERDが起こりやすくなります。腹部を締めつけすぎる服装やコルセットも良くありません。
5.食道裂孔ヘルニアの人
食道と胃は横隔膜の位置で区切られていますが、胃の一部分が横隔膜側に飛び出している状態を食道裂孔ヘルニアといいます。加齢に伴う下部食道の周りの靭帯や筋肉のゆるみ、肥満、妊娠などでお腹の圧力が上がると胃が持ち上げられてヘルニアが起こります。ヘルニアの状態では胃酸の逆流が生じやすくなります。
GERDの症状がある方の治療は、胃酸を抑えるお薬を中心とした薬物治療が基本ですが、同時に早食い、暴飲暴食、脂っこい食事、寝る前の不規則な食事をやめること、また肥っている方は体重を落とすことなど、生活習慣全般の見直しが大切になります。お酒やたばこも良くないと言われていますので、避ける方が良いでしょう。
西宮市田中町5-2西宮駅前メディカルビル3F
「ひだ胃腸内視鏡クリニック」院長 樋田信幸の公式ブログ