君は医者になれない
- 2023年5月8日
- 日常
みなさん、GWはいかがお過ごしでしたか?
えっ、わたくし?
映画→銭湯サウナ→パル・ヤマトで買い物→ネトフリで海外ドラマ→ロピアで買い物→講演の準備→神戸サウナ→うなぎで昼飲み→読書→講演の準備→神戸サウナ→餃子で昼飲み→ネトフリで海外ドラマ→終了。
3サウナ、2昼飲み・・・なにこの、いつもの休日となんら変わらん感じ。
そんな中、面白くて半日で一気読みしたのが「君は医者になれない 膠原病内科医・漆原光莉と血嫌い医学生」という小説。
医療ドラマの舞台って、救命救急部だったり、外科だったり、産科だったり、ほんの数分の処置が命を分けるようなドラマチックな展開が描きやすいメジャーな科のことがほとんどなんですよね。
確かに「お薬出しときますね〜」の内科では、「画」にならんわな。
ところが、この小説の舞台はアレルギー・膠原病内科、通称アレコー。
免疫が暴走して自らの体を傷付けてしまう膠原病という難病の患者さんを主に診療するアレコーは、内科の中でも言わばマイナーな科です。
小説やドラマの舞台になったのは、おそらく初めてなのでは?
Twitter界隈の膠原病内科医(通称:膠の者)がざわついているのを知り、手に取ってみました。
血が怖いという致命的ハンデを抱え、落第にリーチが掛かった医学生・戸島光一郎。
些細な症状も見逃さない凄腕でありながら、人として残念な面が多々あるアレコーの外来医長・漆原光莉。
戸島は彼女の下で様々な患者と出会い、「医者にとって一番大切なものとは何か?」を学んでいく・・・といったストーリー。
登場する主人公2人ともキャラがしっかり立っており、テンポの良いストーリー展開に、あっと言う間に引き込まれていきます。
東大卒の現役内科医が書いたこの小説は、ドラマにありがちな過剰な脚色はなく、登場する患者さんの設定や心の葛藤を描いた診療の場面はとてもリアルです。
治らない難病を診る膠原病内科は、炎症性腸疾患(IBD)を診るわたしたち胃腸科と共通点が多い科です。
「膠原病内科は患者の人生を背負う科なんだよ」
・・・という光莉の言葉が胸に刺さります。
患者さんに、ただ寄り添うだけではダメ。
それ以上に大切なのは、正しい医学の知識と経験を積むこと、そして自分の責任を自覚し、患者さんから決して逃げない覚悟なのだということを、再認識させてもらいました。
内科医でなくても面白いと思うので、未読の方は是非!
「ひだ胃腸内視鏡クリニック」院長 樋田信幸の公式ブログ
日本消化器内視鏡学会専門医
日本消化器病学会専門医、評議員
日本消化管学会胃腸科専門医