神戸新聞「奥さま手帳 」に呑気症の記事が掲載されました
神戸新聞を購読されているご家庭に、毎月届けられる「奥さま手帳」という小冊子があります。
兵庫県のグルメや旅情報、健康の知識などが掲載されているのですが、この度9月号に「呑気症」について取材を受けた記事が掲載されました。
ゲップやお腹の張りに悩まされていた女性記者さんが、わたしたちのクリニックのホームページにたどり着き、「呑気症かも・・・」と思われたのが取材を受けることになったきっかけです。
記事は診察室の横にも掲示してありますので、よかったらご覧くださいね。
呑気症とは、無意識に空気を呑み込んでしまうことで、胃に大量に空気が溜まり、さらに腸に流れてゲップやお腹の張りなどの不快な症状を引き起こす状態のことを言います。
呑気症については何度かブログで書かせていただいていますが、この病気(正確に言うと、病気ではなく無意識の癖のようなもの)で悩んでいる方は本当に多いです。
日本の8人に1人が悩まされているとも言われています。
クリニックには
「食後以外にもゲップがよく出る」
「胃の辺りがパンパンに硬くなって苦しい」
「お腹が張る」
「おならが多い」
と言った症状で初診される患者さんが、連日のようにおられます。
そして、なぜかその多くは女性です。
記事には「呑気症セルフチェック」も載せていただきました。
<呑気症が起こりやすい人>
□仕事や人間関係でストレスを感じることが多い人
□細かいことが気になり、不安を感じやすい人
□緊張しやすい人
□無意識に噛みしめる癖がある人
□猫背・うつむきなど姿勢の悪い人
□デスクワーク・パソコン・スマホを触る時間が多い人
□早食いの人
<呑気症によくみられるおなかの張り症状>
□夕方になると、お腹の張りが強くなる
□平日と休日で症状が変わる
□ゲップがよく出る
いかがでしょうか?
今はこういった症状が無くても、<起こりやすい人>に当てはまる項目が多い方は、言わば呑気症の予備軍。
ちょっとしたストレスイベントなどがきっかけで、急に呑気症の症状が現れる可能性があります。
呑気症の原因の多くは、ストレスや無意識の噛みしめ癖です。
ストレスをうまく発散し、この「癖」を意識するだけで、薬に頼らなくてもほとんどの方の症状が和らぎます。
クリニックでは「お腹が張る方」や「呑気症」の方に、原因や日ごろ気を付ける点についてまとめた看護師さんお手製の資料をお渡ししていますので、参考にしていただければと思います。
あと、開業してから気付いたのが「胸やけ」や「むかつき」を訴えて来られた患者さんの中に、詳しくお聞きすると「ゲップが多い」とおっしゃる方が多いこと。
ゲップをすると、当然ですが胃酸も一緒に上がります。
これまでは、「胃食道逆流症」や「逆流性食道炎」と言えば、胃と食道のつなぎ目が緩んでくる食道裂孔ヘルニアを持ったご高齢の方か、胃を圧迫する内臓脂肪が多い肥満の男性の方が多かったのですが、最近は不思議と若い痩せ型の女性にも「胸やけ」を訴える方が増えています。
内臓脂肪もなく、ヘルニアもなく、夜遅い時間にご飯も食べず、お酒も飲まない女性に、なぜ、こんなに胃酸の逆流が起こるのか・・・
もしかすると、このような若い痩せ型女性の「胸やけ」の原因の一旦は、実は「かくれ呑気症」、つまりゲップによる胃酸の逆流なのではないかと、最近思うようになりました。
「呑気症」と「胃食道逆流症」の関連について調べる臨床研究ができると、興味深い結果が得られるかも知れません。
西宮市田中町5-2西宮駅前メディカルビル3F
「ひだ胃腸内視鏡クリニック」院長 樋田信幸の公式ブログ
日本消化器内視鏡学会専門医
日本消化器病学会専門医、評議員
日本消化管学会胃腸科専門医