次の胃カメラはいつ受けるべき?
「胃にポリープがあると言われているので、毎年検査を受けています。」という方が、よくクリニックに来られます。
胃のポリープと言ってもどんな種類のポリープなのかが大切で、多くの方がお持ちなのは実は放っておいてもまったく問題のない「胃底腺ポリープ」です。
以前にブログ「あると幸せ?な胃ポリープとは?」で胃底腺ポリープについて解説しました。
https://nishinomiya-naishikyo.com/category/gastric-polyp/
胃底腺ポリープは、ピロリ菌に一度も感染していないきれいな胃にできることが多いポリープで、とくに女性によくみられます。
日本消化器内視鏡学会は、「ピロリ菌がいままでに感染していない胃の場合、胃がんになる危険性は低いため、定期的な内視鏡検査はあまり勧められません。」と提言しています。
「ポリープがあるのに放っておいて大丈夫なの?」心配になるかもしれませんが、気になる症状がとくに無ければ、ピロリ菌未感染の胃にできた胃底腺ポリープのフォローのために毎年胃カメラを受ける必要は無いのです。
ただし胃カメラは、胃がん以外にも咽頭がんや食道がんの早期発見にも役立ちますので、受けることにまったく意味が無いというわけではありません。
とくに咽頭がんや食道がんの危険因子であるタバコやお酒を飲む方は、ピロリ菌未感染のきれいな胃でも2年に1度程度は胃カメラを受けておいても良いと思います。
一方で、胃カメラで慢性胃炎の所見がみつかり、ピロリ菌が感染していると診断された方については、まず除菌治療を受けていただいたうえで、胃がんの早期発見のために定期的な胃カメラが推奨されます。
どの程度の間隔で内視鏡検査を受けるのが良いかについては実はまだ定かではないのですが、今のところ2年前後の間隔で受けるのがよいと考えられています。
わたしたちのクリニックでは、内視鏡検査の件数を伸ばすために意味がない検査をお勧めするようなことはしません。
開業したてなのにあまりに商売っ気がなさすぎる感じなのかも知れませんが、誠実な仕事がモットーですので。
もちろん、お腹の症状がある方や、症状が無くても検査を受けて安心したいというご希望にはしっかりとお答えします。
本当に必要がある人に、ぜひ内視鏡検査を受けていただきたいと思います。
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「ひだ胃腸内視鏡クリニック」院長 樋田信幸の公式ブログ