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ひだ胃腸内視鏡クリニック

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食べてケアするIBD~腸がよろこぶ食事とは~⑤

食べてケアするIBD~腸がよろこぶ食事とは~⑤

さて、ここからは「どんな食品をどう食べるか?」について、一つひとつ見ていきましょう。

最初にお伝えしておきたいのは、

・食品の「良い・悪い」に関する科学的根拠はまだ不十分な部分が多いこと

・食品に対する体の反応には個人差があること

・すべての人に当てはまる“正解”はないということ

そして、以下の内容には私自身の考えも含まれていますので、「参考程度」に読んでいただければと思います。


動物性タンパク質について

まずは「動物性タンパク質」から。

動物性タンパク質は、私たちの体に必要な「必須アミノ酸」をバランスよく含んでおり、筋肉・ホルモン・酵素など、体のさまざまな機能を支える大切な栄養素です。

ただし注意が必要なのは、その多くが脂質も多く含んでいる点です。
特に加工肉(ソーセージやベーコンなど)になると、保存料や発色剤といった添加物も加わり、摂りすぎると心臓病や糖尿病などのリスクが高まる可能性があります。

さらに、動物性タンパク質は腸内の「悪玉菌」のエサになりやすいため、IBD(炎症性腸疾患)の方にとっては、腸内環境を悪化させてしまう恐れも。摂りすぎにはくれぐれも注意してください。

赤身肉・加工肉はほどほどに

牛肉や豚肉、さらに加工肉は、腸の炎症を悪化させたり、大腸がんのリスクを高めたりする可能性があることが知られています。

「絶対に食べてはいけない」というわけではありませんが、知らず知らずのうちに、ほぼ毎日のように食べていないでしょうか?


まずは少しずつで構いません。意識して、摂取頻度や量を減らすことをおすすめします。


鶏肉・卵は基本OK。でも偏りすぎには注意

鶏肉や卵は、比較的安心して食べられる動物性タンパクです。

特に鶏ムネ肉やササミは、「高たんぱく・低脂肪」でヘルシーなイメージがありますよね。
ですが実は、プリン体の含有量が肉類の中で最も多いという一面もあります。

プリン体の摂りすぎは、痛風の原因になることもありますので、「ヘルシーだから」と言って偏りすぎるのはNG。こちらもバランスが大事です。


鳥刺し・タタキは絶対NG!

生の鶏肉(鳥刺しや鶏のタタキ)は、IBDの方でなくても絶対に避けてほしい食品です。

カンピロバクターという細菌によって、急性の食中毒を起こすケースが非常に多く、毎年たくさんの患者さんが来院されます。

「生の鶏肉だけは、本当にやめておいてください!」
これだけは強くお伝えしておきます。


腸にやさしい動物性タンパク質は「魚」

動物性タンパク質の中で腸にやさしい食品は「魚」です。

特に青魚(サバ・サンマ・イワシなど)に多く含まれるEPAやDHAには、腸の炎症を抑える効果も期待されています。

IBDの方にとっては、ぜひ積極的に取り入れたい食品です。


ご自身の体と相談しながら、動物性タンパク質との付き合い方を見直してみてくださいね。

「ひだ胃腸内視鏡クリニック」院長 樋田信幸の公式ブログ

 

日本消化器内視鏡学会専門医

日本消化器病学会専門医、評議員

日本消化管学会胃腸科専門医

日本炎症性腸疾患学会IBD専門医・指導医

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