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食べてケアするIBD~腸がよろこぶ食事とは~⑥

食べてケアするIBD~腸がよろこぶ食事とは~⑥

おかげさまで、第4回ひだまり会は無事終了いたしました。
ご参加いただいた皆さま、ありがとうございました。

会の内容については、また改めてこのブログでもご紹介したいと思っていますが…
なにせ、「食」をテーマにした第3回の記事がまだ途中でして…。

ということで、今回は久しぶりに「IBDと食事」の続きです。

脂質について

脂質は、必ずしも「悪いもの」ではありません。
IBDにおいても、脂質が病状に影響する可能性は指摘されていますが、「すべての脂質が悪い」と断定されているわけではありません。

ただし、
・炎症を悪化させる可能性のある脂質は控える
・抗炎症的に働く脂質を選ぶ

という視点が大切です。

避けたい脂質(炎症を促進する可能性)

・飽和脂肪酸(動物性脂肪)

脂身の多い肉やバターなどに多く含まれます。
腸内細菌のバランスを乱し、胆汁酸の増加を通じて腸の粘膜にダメージを与える可能性があります。

・トランス脂肪酸

マーガリンやショートニングに多く含まれます。
クッキーなどの加工菓子、ファストフード、コンビニの揚げ物、菓子パン、スナック菓子、冷凍食品などにも広く使われています。

過剰に摂取すると、TNFαなどの炎症性サイトカインが増え、いわゆる「腸のバリア機能低下(leaky gut)」を引き起こし、善玉菌(酪酸産生菌など)の減少につながる可能性があります。

控えめに摂りたい脂質(バランスが重要)

・多価不飽和脂肪酸:n-6系(オメガ6)

サラダ油、コーン油、ごま油、大豆油などに含まれます。
体内で作ることができない必須脂肪酸で、細胞膜の材料として重要な栄養素です。

ただし、摂りすぎたり、オメガ3とのバランスが崩れたりすると、体内で炎症を促進する物質(アラキドン酸)に変換されやすくなり、慢性的な炎症の一因となる可能性があります。

積極的に摂りたい脂質(抗炎症作用が期待される)

・一価不飽和脂肪酸(主にオレイン酸)

オリーブオイル、菜種油、アボカド、ナッツ類などに含まれます。
抗酸化作用があり、炎症の緩和が期待されます。
また、酸化しにくく加熱にも比較的強いため、日常の調理にも使いやすい油です。

 

・多価不飽和脂肪酸:n-3系(オメガ3)

サバ・イワシ・サンマなどの青魚に含まれるEPA・DHA、
アマニ油やえごま油に含まれるα-リノレン酸が代表的です。

これらには、
・腸の炎症を抑える
・腸内細菌のバランスを整える
・腸のバリア機能をサポートする

といった作用が期待されています。

■ ω3脂肪酸を摂るときのポイント

ω3脂肪酸は「光・熱・酸素」に弱く、酸化しやすいという特徴があります。
酸化してしまうと、逆に体に悪影響を及ぼす可能性もあるため、扱い方が大切です。

・青魚はできるだけ新鮮なうちに(刺身が理想)
・加熱する場合は「焼く・揚げる」よりも「煮る・蒸す・ホイル焼き」
・サバ缶・イワシ缶はEPA・DHAが豊富(汁ごと使うのがおすすめ)
・アマニ油・えごま油は冷蔵保存、遮光、早めに使い切る、加熱調理には使用しない

まとめ

脂質は「減らす」よりも「選ぶ」ことが大切です。

極端に制限する必要はありませんが、
・揚げ物や加工食品、動物性脂肪は控えめに
・ 青魚を週2〜3回
・ 油を使うならオリーブオイル(サラダにはアマニ油・えごま油)

といった点を意識してみてください。

「脂は敵」ではなく、「味方にも敵にもなる存在」です。
うまく付き合っていきましょう。

「ひだ胃腸内視鏡クリニック」院長 樋田信幸の公式ブログ

 

日本消化器内視鏡学会専門医

日本消化器病学会専門医、評議員

日本消化管学会胃腸科専門医

日本炎症性腸疾患学会IBD専門医・指導医

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