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ひだ胃腸内視鏡クリニック

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胃腸内科 / 内視鏡内科

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辛くない大腸カメラへのこだわり

辛くない大腸カメラへのこだわり

わたしたちのクリニックで受けていただいた内視鏡検査の件数は、今のところ胃カメラと大腸カメラがほぼ半々です。

内視鏡を専門とするクリニックでも、大腸カメラよりも胃カメラの件数が圧倒的に多いのが普通です。大腸カメラの比率の高さに「腸の病気に強い」という当院の特徴が表れているように思います。

院長は一部の医療関係者から「大腸オタク」と呼ばれているとか、いないとか・・・

 

そしてこれは嬉しい驚きですが、わたしたちのクリニックにはとくに若い年代の女性が大腸カメラを希望して受診されるケースがとても多いのです。

院長の女性ウケがいいから・・・では無いですよねぇ・・・

女性の部位別がん死亡率の第1位は大腸がんです。大腸内視鏡を受けるのに若すぎるということはありません。出来れば40歳代、遅くとも55歳までに大腸カメラを一度受けて頂けると、大腸がんを予防できる可能性が格段に高くなります。

女性が大腸カメラに抱く「恥ずかしい」「苦しそう」といったネガティブなイメージが少しでも払拭されて、「よし、思い切って若いうちに一度受けておこう!」という機運が高まってきているのであれば、それは嬉しい限りです。

 

そして、もう1つの特徴は同業者、つまり医療従事者の方に検査を受けて頂く機会がとても多いということです。開業前からわたしを知っておられる方が受診されることももちろんありますが、最近では口コミやホームページを見て直接来られる方が増えてきました。

医療をよく知る同業者に選んでいただけるということは、とても名誉でありがたいことです。信頼に応えなければという少々のプレッシャーはありますが・・・まぁ、検査が始まってしまえば相手が誰であっても集中して挑むだけですからね。

 

さて、わたしは大腸カメラに対して数々のこだわりを持っています。

患者さんにとっての「良い」大腸内視鏡検査とは、まず「辛くないこと」が大前提と考えていますので、とくにその点にはこだわっています。

いくら精密な検査であっても、患者さんが辛く感じて二度と受けたくないと思ってしまっては、その検査に価値はありません。

 

大腸カメラの検査中に感じる辛さは、腸が伸ばされた時と、空気でお腹が張った時に感じる痛みが主な原因です。

痛みの感じ方や許容範囲は人それぞれですが、わたし自身が体験した腸が伸びた時の感覚は、突っ張る痛みとも下痢の時にお腹がギューッとくる痛みともまた違う、「チクチク」と針で腸をつつかれるような今まで感じたことのないものでした。

 

そこで、痛みを感じさせないように腸をできるだけ伸ばさずに、畳みこみながらカメラを挿入するのが、内視鏡医の腕の見せ所となります。

わたしはカメラを盲腸まで入れていくときには空気を一切入れません。空気を完全に吸って代わりに腸を少量の水で満たしながら慎重に腸を伸ばさないようにする「浸水法」という方法で挿入していきます。そうして腸を伸ばすことなく盲腸まで挿入できれば、検査中に辛い痛みはほとんど感じません。

鎮静剤(眠くなる薬)・鎮痛剤はご希望に応じて使用しますが、呼びかけると意識が戻る程度の必要最小限の量に留めることがほとんどです。もし、辛そうにされていれば適宜お薬を追加しますが、最初から痛みをごまかすために強い麻酔をかけることはしません。

 

さて、先ほど若い女性に多く大腸カメラを受けていただいていると書きましたが、とくに痩せ型で便秘傾向の女性は「むずかしい腸」をお持ちの方が多く、内視鏡医にとっては実はかなりの「強敵」です。

長いS状結腸が狭い骨盤の中にとぐろを巻いたように収まっているため、強い曲がりが何度も何度も連続します。帝王切開などの婦人科系の手術による癒着があると、さらに難易度が上がります。

1ヒダ1ヒダ腸を畳みながら慎重にカメラを進めるのはとても根気がいる作業ですが、とくに開業してからはあまり検査の速さにこだわることなく「辛くないこと」を第一に、より丁寧な検査を心掛けるようになりました。

もちろん、どんなにがんばっても「むずかしい腸」は100%畳みながら進めるわけではありません。そんな時にも辛さをできるだけ感じさせないようにするノウハウを持っていることも、内視鏡医にとって大切な技量です。

実は開業してからの半年の間にも、新たなテクニックを思いつきました!

医師になってから25年経ちましたが、患者さんのために日々技術を磨くことに終わりはありません。

 

さて、盲腸までカメラが到達した後に行う観察は、言うまでもなく挿入以上に大切です。

大腸を十分に膨らまして、平らな病変やひだの裏側に隠れた病変まで見逃さないように心がけます。当院では空気の代わりに体に吸収されやすい二酸化炭素を使用することで、検査後のお腹の張りを抑えています。

さらに、観察が終わった場所は二酸化炭素もできるだけ抜いて、検査が終わった時にお腹がパンパンで苦しいと感じることがないようにしっかりと配慮しています。

 

初めて大腸カメラを受けた方に「こんなに楽ならもっと早くに検査を受けておけば良かった」と言っていただけると、内視鏡医冥利に尽きます。

これからは、ますます大腸の病気が増え、大腸内視鏡のニーズが高まる時代です。

ニーズにしっかりと答えられるように、これからも謙虚に、一心に、腕を磨いていきたいと思います。

 

西宮市田中町5-2西宮駅前メディカルビル3F

「ひだ胃腸内視鏡クリニック」院長 樋田信幸の公式ブログ