WEB予約

ひだ胃腸内視鏡クリニック

ご予約・お問い合わせ

0798-26-5070

胃腸内科 / 内視鏡内科

阪神西宮駅徒歩30秒

腸内細菌が元気になる食べ物とは?

腸内細菌が元気になる食べ物とは?

腸内細菌のバランスを良くするうえで大切なのは、今、腸の中に棲んでいる善玉菌にしっかり栄養を与えてあげることです。
腸内細菌のエサは人間が食べたものだけですので、ちゃんと栄養になるものを食べてあげないと弱ったり、死んだりしてしまってバランスが崩れます。

では、腸内細菌、とくに善玉菌が元気になるような食べ物とはいったい何でしょうか?

普段食べている食事の中で、大腸までちゃんと届いて、善玉菌のエサになるもの。
これをプレバイオティクスと言いますが、その筆頭は「食物繊維」です。

腸内細菌は食物繊維をエネルギーにしているときは、人の体に良い働きをする代謝物を生み出すことが分かってきています。逆に、エサとなる食物繊維が少ないと、腸内細菌はタンパク質などを分解し始め、健康にあまりよくない物質を作り出してしまいます。

そもそも、欧米の人と比べると、日本人の腸には食物繊維をエサとして発酵を促す腸内細菌がたくさん棲んでいるという特徴があります。これは、おそらく日本人の長年の食文化が関係しているのだと思います。
ですので、日本人は水溶性食物繊維を多く含む海藻や大麦、イモ、豆類、根菜、キノコなどをしっかり食べることで、腸内フローラのバランスが良くなることが期待できるのです。
ただし、狭窄(炎症で狭くなった場所)があるクローン病の方は、腸閉塞をおこさないように食物繊維の取り方に十分注意してください。

昨日、ヨーグルトなどの乳製品の効果について否定的に書いてしまいましたが、なにも善玉菌が含まれる発酵食品は乳製品だけではありません。

発酵食品とは、微生物の働きによって食材の持つタンパク質や糖などが分解され、別の食べものに変化したものを言います。

日本では昔からずっと醤油や味噌、みりん、日本酒、甘酒、納豆、ぬか漬け、塩辛など、人々の日常に根付いた発酵食品が食べられて来ました。
ところが、この半世紀で日本人の食生活は急激に欧米化、つまり高脂肪、高カロリー、低食物繊維になり、発酵食品の摂取も減ってきています。また、以前に書いたように食品添加物を摂取する機会も明らかに増えました。これらのことが、日本人の腸内フローラの変化をもたらし、さまざまな病気になる方を増やしている一因だと考えられます。

「ヨーグルトを毎日バケツ1杯食べろ!」・・・は、さすがに無理ですが、腸に良い食物繊維やさまざまな発酵食品を毎日バランスよく摂り続けることはできます。
そうすれば、少しずつ善玉菌が増え、腸内環境を改善できる可能性は十分あると思います。

食事に関しては、日本人の腸内細菌に合う和食への原点回帰が一番ではないでしょうか。

西宮市田中町5-2西宮駅前メディカルビル3F
「ひだ胃腸内視鏡クリニック」院長 樋田信幸の公式ブログ