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ひだ胃腸内視鏡クリニック

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胃腸内科 / 内視鏡内科

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胃腸も老いる

胃腸も老いる

体中のあちこちに老いを感じる今日この頃のわたくしですが、みなさまはいかがお過ごしでしょうか?

 

40歳で衰えを感じ始めましたが、50歳を超えるとさらに一段とギアアップ。

加速度的に体にガタが来ております。

 

まず、目のピントが合わない。

近眼+乱視に老眼が加わり、離しても近づけてもちっちゃい字はすべてぼやけます。

「世の中の文字は小さすぎて、読めなあああいっ!」

渡辺謙さんの「魂の叫び」・・・めっちゃ分かるわぁ。

 

あっ、内視鏡の画面はちゃんと見えてますのでご安心を。

 

さらには・・・

えげつない肩コリ。

お腹はたるみ気味。

やたら涙もろい。

髪は白髪だらけ。

知らん間にシミやホクロがあちこちに。

「お肌の曲がり角」は30歳って言うから、60歳になったら1周回って・・・(戻らんわ!)

 

今のところなんとか胃腸は元気なのですが、当然のことながら内臓も老います。

 

見た目に分かる白髪やシミなどとは違い、「内臓の老い」は外見からは分かりませんので、イメージが付きにくいのではないでしょうか?

 

みなさんの胃腸を日々カメラで覗いていると、「年齢よりもずいぶん胃腸が老けているなぁ・・・」と感じることが少なくありません。

 

胃カメラで見つかる「食道裂孔ヘルニア」。

食道と胃を隔てている横隔膜は膜状の筋肉ですので、加齢とともに緩みやすくなります。

さらに、猫背の姿勢やお腹に内臓脂肪がつくと・・・圧迫された胃が食道側に押し上げられて・・・はい、食道裂孔ヘルニアの完成です。

これも言わば「老い」のひとつ。

 

ピロリ菌の感染を放置している人は、知らない間に慢性胃炎による「胃の老い」がどんどん進んでいきます。

若い年齢の方であっても、かなり広範囲まで慢性胃炎が広がっている方もおられます。

そういった方は、ピロリ菌の感染に加えて、日ごろの外食やお弁当など、塩分の多い食事が胃の老いを早めているのかも知れません。

 

目には見えない「胃の老い」もあります。

「昔は何を食べても、胃もたれなんかしなかったのになぁ・・・(遠い目)」と言う方は少なくないでしょう。

年をとると次第に胃の弾力性が落ち、一度にたくさんの食べ物を胃に溜められなくなります。

加えて胃の動きも衰えるため、胃に溜まった食べ物がすぐに十二指腸に流れていかなくなります。

消化の悪い脂身たっぷりのお肉や小麦製品、お酒をたくさん飲んだ後には、さらにもたれやすくなります。

最近では若い方にも胃の動きが悪くて胃もたれを感じる、「機能性ディスペプシア」の方が増えてきました。

日ごろに感じるストレスも、胃の動きを悪くし「胃の老い」を加速させる要因です。

 

 

大腸カメラで「腸の老い」を感じるサインも色々とあります。

 

ポリープはその代表。

以前のブログにも書きましたが、ポリープやがんは老いによって「遺伝子に付いた傷を治せなくなった」時にできてきます。

加工肉や赤身肉の食べ過ぎ、お酒、タバコ、肥満、運動不足、野菜不足などによって「腸の老い」が加速すると、若くてもポリープができてしまいます。

腸の壁の筋肉が緩んでできる「大腸憩室」も「腸の老い」を反映しています。

 

便秘も「腸の老い」のひとつ。

年齢が上がると共に大腸の動きは悪くなり、腹圧をかける筋力も低下していきますので、便秘の方が増えていきます。

 

そして便秘に対して、毎日のように腸を「刺激」して動かすタイプの下剤(センナ、漢方の大黄、アロエなど)に頼っている方の腸を大腸カメラで見てみると・・・本来はピンク色の腸の粘膜がなんと「真っ黒」。

これは、下剤の色素が腸の粘膜に沈着している状態で、「大腸黒皮症」や「偽メラノーシス」と呼ばれています。

 

さらに「下剤頼り」の状態がひどい方は、大腸が自力でほとんど動かなくなり、ついにはゆるゆるに緩んだゴム風船のように大腸全体が拡張してしまいます。

こうなると、大腸カメラを盲腸まで挿入するのも大変です。

 

一見元気そうな40歳代の方でも、大腸カメラをみると憩室やポリープだらけ、下剤頼りで粘膜が真っ黒という方は、「腸年齢で言うと70歳ぐらいだなぁ・・・」という印象を持ってしまいます。

 

逆にご高齢の方でも、胃カメラで胃炎や食道裂孔ヘルニアがなく、大腸カメラでもポリープや憩室ひとつない、「ピッチピチやん・・・」と感じる本当にきれいな胃腸をお持ちの方もおられます。

おそらく、日ごろから食生活・運動・生活リズムなどに気を付けておられることでしょう。

 

老化はみんなに平等にやって来ます。

避けることはできませんが、老化をゆっくりにすることはできます。

 

内視鏡検査の所見に「食道裂孔ヘルニア」「慢性胃炎(萎縮性胃炎)」「機能性ディスペプシア」「大腸ポリープ」「大腸憩室」「偽メラノーシス」などと書かれていた方は、これ以上胃腸の老化を進めないために、日ごろの生活を見直しましょう。

 

西宮市田中町5-2西宮駅前メディカルビル3F

「ひだ胃腸内視鏡クリニック」院長 樋田信幸の公式ブログ

 

日本消化器内視鏡学会専門医

日本消化器病学会専門医、評議員

日本消化管学会胃腸科専門医

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