第3回ひだまり会「食べてケアするIBD~腸がよろこぶ食事とは~」
「ひだまり会」は、わたしたちのクリニックに受診されているIBD(潰瘍性大腸炎・クローン病)の患者さんとそのご家族を対象に、
・IBDに関する情報をお伝えする場として
・同じ病気を持つ患者さん同士が気軽に交流していただく場として
年に1度開催している交流イベントです。
2023年に開催した第1回はIBD診療に関する3つのトレンド①バイオマーカー、②新規薬剤、③専門クリニックについての講演を行いました。
2024年に開催した第2回は「仕事とIBD~安心して働くためにできること~」をテーマに、難病の「治療」と、生きていく上で欠かせない「仕事」をいかに両立させるのかについての講演と患者さんを交えた意見交換を行いました。
また、うれしいことに、この会をきっかけに患者さん同士のつながりも生まれてきています。
2024年秋には登山好き、写真好きのIBD患者さん主催で箕面へのハイキングが催され、クリニックのスタッフともども楽しませていただきました。
その様子は、今回のひだまり会で報告していただく予定です。
さて、第3回となる今年のテーマは、「食べてケアするIBD~腸がよろこぶ食事とは~」。
すでに40名を超えるIBD患者さんとご家族から参加のご希望をいただいておりますが、ここで改めて日時と場所をお知らせしておきます。
日時: 2025年3月9日(日)14:00~16:00
場所:西宮市民会館 3階 中会議室301
(阪神西宮駅「市役所口」改札 北へ徒歩1分)
これまでに当ブログでも度々新薬の情報を発信してきたように、IBDの内科治療は最近の数年間で格段に進歩しました。
・・・ですが、治療と言うのは「免疫の暴走」によって「腸の炎症」が起きたという「結果」の燃え盛っている火に対して、言わば「火消し」をしているにすぎません。
それぞれの患者さんの「火」の大きさに合わせて適切な治療薬を選べば、大抵の火は消せるようになってきたものの、どの治療薬もIBDとう病気の根本の「原因」を解決してくれているわけではありません。
ですから、ちょっとしたきっかけで、うまくいっていた治療が破綻してまた火が燃え盛る「再燃」がおきます。
治療を止めたり、減らしたりすることが簡単ではない理由も、そこにあるのです。
そこで、治療を受けることと同じくらい、いや、それ以上に大切なことが、治療で一旦鎮火してくすぶっている状態から、再び「火」を起こさないようにする「防火」の意識。
そして、みなさんが防火としてできる大切なセルフケアの1つが、毎日口にする「食事」への注意なのです。
IBDという腸の病気以外にも、食事や腸内細菌叢のバランスの乱れが関わっている病気はたくさんあります。
メタボリックシンドローム、糖尿病、高脂血症、脂肪肝などがその代表格ですが、IBDの治療がうまくいっている患者さんの中にも、こうした生活習慣病を併発している方が、残念ながら実に多い・・・。
さらに驚いたことに、一見は腸と全く関係がなさそうな、喘息・アトピー性皮膚炎などのアレルギー疾患や、自閉症、うつ病、認知症、リウマチ、パーキンソン病といった神経の病気や膠原病までもが、腸内細菌叢の乱れを原因とした病気だと分かってきています。
実は、IBD患者さんの食事に関して、「これは食べちゃダメ!」「この食品がよい」といった明確な科学的根拠は、現状ではほとんどありません。
だからといって、なにを食べても良いのでしょうか?
IBDだけでなく、将来的な病気の発症の予防も含めて、すべての人に考えてほしい「腸がよろこぶ食事」について、看護師の永吉と院長からお話させていただく予定です。
まだ、若干名ですが参加枠の空きがあります。
会場の広さに限りがありますので、今から参加をご希望される場合には、事前の予約連絡をクリニックまでお願いいたします。
「ひだ胃腸内視鏡クリニック」院長 樋田信幸の公式ブログ
日本消化器内視鏡学会専門医
日本消化器病学会専門医、評議員
日本消化管学会胃腸科専門医
日本炎症性腸疾患学会IBD専門医・指導医