現金はもはや時代遅れ?
ことキャッシュレス化に関しては、日本は先進国の中でもっとも後れを取っているようです。
キャッシュレス化が進むカナダやスウェーデンでは全経済活動における現金の支払の比率がなんと2%以下!もはや、日常生活で現金を目にすること自体がほぼ皆無だということです。
お隣の韓国でも、本年度中に銀行が硬貨の鋳造を停止する方針を示しているそう。
硬貨や紙幣が日常生活にとても深く根付いている「ザ・現金主義」の日本からすると驚きですが、世界では「現金のない日常」が既に当たり前になりつつあります。
そんな日本でも、さすがにこの度のコロナ禍を受けてスーパーやコンビニ、飲食店などでキャッシュレス決済を利用する人がかなり増えたように思います。
硬貨や紙幣を介してコロナウイルスに感染するリスクなんてほぼ無視できると思いますが、不特定多数の人が触れる現金をなんとなく敬遠する向きもあるようです。
わたしもすっかりスマホで決済が当たり前の日常になり、銀行から現金をおろす機会がめっきり減りました。使ってみると、とにかく早くて便利です。
まったくの余談ですが、iPhoneなど世の中のスマホの多くが顔認証に替わった途端、コロナによる大マスク時代の到来という皮肉。店員さんの前でマスクをずらして顔認証するのは実に歯がゆい。マスク越しに認証できる機器も開発されているようですが、実は指紋認証が最強だったんじゃ・・・
さて、キャッシュレス化後進国の日本ですが、徐々に使えるところが増えてきている小売店や飲食店に比べて、医療機関とくにクリニックのキャッシュレス化はさらに惨憺たるもの。
厚生労働省が平成31年3月に発表したデータによると、一般診療所(クリニック)のクレジットカード決済の導入率は16.5%、電子マネー決済導入率は1.9%、QRコード決済の導入率は0.2%だったそうです。
わたしたちのクリニックでは開業当初からキャッシュレス決済を導入するつもりでしたが、コロナ禍で機器の納入に時間がかかったり、導入予定の新機種に不具合が出たりしてかなり遅れてしまい、10月22日にやっと導入することができました。
キャッシュレス化は、
① 接触を減らすことによる感染対策
② 患者さんの負担軽減:手持ちの現金で足りるのかを心配しなくて済む、高額な支払いに便利、ポイントが貯まる
③ スタッフ業務の効率化:現金の数え間違い防止、レジ〆作業やつり銭を用意する手間が省ける
など色々なメリットがあります。
今のところ、キャッシュレス決済を利用される方は来院される方の1/3〜半分程度というところでしょうか。やはり、まだまだ現金派が根強いようですね。
実は、クリニックで働くスタッフも多く(わたし以外全員?)がバリバリの現金派。
いわく、「現金には安心感がある」「カードは信じられない」「使い方がよく分からない」「使った実感が湧かずに歯止めがきかなくなりそう」などなど・・・
分からなくもないですが、世の中に置いていかれますよ〜。
さて、もうすぐお正月ですが、令和の世の中では日本伝統のお年玉も、子供から「スマホにキャッシュレスでチャージしといて〜」なんて言われる日が来るのでしょうか?
味気ない気もしますが、それも日本人ならではの感覚なのかも知れませんね。
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「ひだ胃腸内視鏡クリニック」院長 樋田信幸の公式ブログ