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ひだ胃腸内視鏡クリニック

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安倍総理の持病、潰瘍性大腸炎

安倍総理の持病、潰瘍性大腸炎

このブログで政治的な意見を述べる気は全くないのですが、潰瘍性大腸炎という病気の治療に携わる専門家として一言。

安倍首相の持病である潰瘍性大腸炎は、大腸の粘膜に炎症が起きる慢性の病気です。国が定めた「指定難病」のひとつですが、それぞれの患者さまが抱えておられる症状や病気の経過はさまざまです。病気とうまく付き合いながら、お仕事をされている方もたくさんおられます。

元大阪府知事の橋下徹さんが、病気の悪化を理由に辞任する意向を表明した安倍首相の会見で質問したたくさんの記者のうち、たった一人だけしか「お疲れ様でした」という言葉をかけなかったことに、怒っておられました。真っ当なご意見だと思います。

一国の総理という立場には、想像できないぐらいの心身の負担があったかと思います。若い時に潰瘍性大腸炎を患い、治療を続けながら歴代最長の7年以上もの間一国のトップで活躍されたことは、多くの難病の方々に少なからず勇気を与えたのではないでしょうか。

野党の議員から、「大事な時に体を壊す癖がある危機管理能力のない人物」という発言があったとのことですが、本当に悲しくなります。病気は自分が正しい行動をしていればコントロールできるという単純なものではありません。ものすごく体調に気を使い、定期的に病院に通い、お薬をきっちり服用していても、些細なきっかけで、あるいは何のきっかけも無しに、病気の波が起こることもあります。

病気を理由に差別することは言語道断ですが、「国家の舵取りを任せる政治家となれば話は別で、いつ体調を崩すのか分からないような人には任せられない」というお考えの方もいらっしゃるでしょうし、賛否はあるでしょう。

ただ、今回の事をきっかけに、潰瘍性大腸炎をはじめとする難病に対する正しい知識の習得と理解が少しでも進み、それぞれの患者さまが自分に合った働き方を見つけられて、周囲もそれをやさしく見守れるような社会になっていってほしいと切に願います。

 

安倍総理の体調が回復されることをお祈りしたいと思います。本当にお疲れ様でした。