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ひだ胃腸内視鏡クリニック

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大腸がんは数少ない「予防できる」がんです

大腸がんは数少ない「予防できる」がんです

昨日のブログでお話ししたように、便潜血検査が陽性だった人でも大腸カメラで調べると、95%以上の方には大腸がんは発見されません。

なぜかと言うと、便に血が混ざる原因が大腸がんの他にも色々あるからです。
痔や良性の大腸ポリープ、腸の炎症、便秘の硬い便で大腸の粘膜をこすったり、きばったりしただけでも便潜血が陽性になることがあります。
大腸カメラで見たけど、「何もありませんでしたよ。」ということも良くあります。

ここで重要なのが、良性の大腸ポリープ、中でも腺腫(せんしゅ)というポリープが見つかることです。便潜血陽性がきっかけで大腸カメラを受けた方の30%〜50%に腺腫が見つかると言われています。

実は、大腸がんの多くは、良性の腺腫が悪性に変化したものだと考えられています。
つまり腺腫は良性のポリープですが、「将来の大腸がんの芽」でもあるのです。
ですから、大腸カメラで発見した腺腫(=将来の大腸がんの芽)を摘除しておくと、大腸がんの予防効果が期待できます。実際に、大腸腺腫を内視鏡で切除することで、大腸がんになる率を76~90%も抑えられたとの報告があります。

アメリカで受けられている大腸がん検診には、便潜血検査だけでなく大腸カメラも含まれています。(日本でも、自ら希望で受ける人間ドック(任意型検診)の場合は、最初から大腸カメラを選ぶこともできます。)
大腸がんを早期に発見して命を落とす人を減らすという本来のがん検診の意義だけでなく、検診の際に偶然発見される良性の腺腫を積極的に切除することで、アメリカでは大腸がんに「なる人」までどんどん減ってきていると考えられます。

大腸以外の臓器では、良性のできものを経ずにいきなり「がん」ができてしまうことが多いために、検診では早めに見つけることしかできません。
ところが大腸がんは、実は数少ない検診をきっかけに「予防できるがん」なのです。

定期的に大腸カメラを受けて、腺腫のうちに発見して切除しておけば、大腸がんに「なる」ことさえほとんどありません。
検診の受診率が上がれば、日本人の大腸がんは確実に減るでしょう。

40歳以上の方、とくにお酒とお肉が好きな、運動不足でぽっちゃり体型のそこのあなた!
毎年の便潜血検査もしくは人間ドックで大腸内視鏡検査をぜひ受けてください!
一度も検診を受けずに大腸がんで命を落とすのは、本当にもったいないことだと思います。

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「ひだ胃腸内視鏡クリニック」院長 樋田信幸の公式ブログ