大腸がんがアメリカで減り日本で減らない理由は?
今、日本人がもっとも罹りやすいがんは大腸がんです。
生活習慣の欧米化が進む中、減る気配は全くありません。
ところが、アメリカでは近年、大腸がんになる人は明らかに減っているのです。
昔、大腸がんになる人は日本よりアメリカで圧倒的に多かったのですが、今はなんと逆転してしまっています。
アメリカの食事はご存じのように高脂質、高カロリーですし、大腸がんのリスクになる肥満率はいまだに日本よりアメリカのほうが圧倒的に高いにもかかわらず・・・です。
なぜ、先進国である両国でこんなにも大きな差が生まれてしまったのでしょうか?
その最大の理由は、大腸がん検診の受診率の違いだと考えられます。
いかがでしょうか?
日本人は先進国の中でも極端に検診を受けない国なのです。
最近やっと、無料クーポンの配布などで受診率が上がり、2016年の調査では40歳から69歳の約4割の方に大腸がん検診を受けていただくようになりました。
・・・が、それでもまだまだ、欧米の受診率には遠く及びません。
しかも、実はここ兵庫の大腸がん検診受診率は驚くほど低く、全国でも最低のレベルなのです。
無料クーポンで若干上がった時期もありましたが、2016年に40歳から69歳の西宮市民で大腸がん検診を受けて頂けた方は、国民の当面の目標値である50%に対してたったの8.8%です。
・・・これは絶対に何とかしないといけません!
この地域において大腸がんで命を落とす方が少しでも減るように、クリニックとしてできることを考えていきたいと思います。
・・・と、ここまで読んで、鋭い方は「おやっ?」と思われたかもしれません。
大腸がん検診を受けると、大腸がんが早く「見つかる」のは分かりますが、なぜ大腸がんに「なる人」自体が減るのでしょうか?
これにについては、またの機会にお話したいと思います。