WEB予約

ひだ胃腸内視鏡クリニック

ご予約・お問い合わせ

0798-26-5070

胃腸内科 / 内視鏡内科

阪神西宮駅徒歩30秒

受診控えで進行がんが増えています!

受診控えで進行がんが増えています!

昨日のニュースで、国内有数のがん専門病院である「がん研有明病院」の昨年の胃がんの手術件数が例年に比べて3割も減り、とくに最も早期のステージ1Aの胃がん手術については半減したとの報道を目にしました。

これは、当然ながら「胃がんになる患者さん自体が減った」というポジティブな理由ではありません。

新型コロナウイルスへの感染の心配から、がん検診や定期検査などの受診控えが生じた結果として、早期にがんが見つかる人が減ってしまったためだと考えられます。

ただ単に、「従来なら見つけられていたはずのがんが、まだ見つかっていないだけ」なのです。

そして、がんが見つからないまま時間が経ってしまうと・・・

残念ながら、進行していて切除できない(開腹してみたもののがん細胞が胃の壁を越えて腹膜にまでバラバラと広がる腹膜播種(ふくまくはしゅ)が見つかり、手が付けられない)胃がんの症例が、昨年から増加しているという報告もなされています。

 

大腸がんについても同じです。

がん対策推進協議会の報告によると、大阪の38施設における大腸がんの手術症例数(内視鏡治療を除く)は、全体で約10%減少し、胃がんと同じようにステージ0〜1という早期の大腸がん手術例が大幅に減ったとのことでした。

 

こういったがん手術症例数の減少は、とくに胃がんや大腸がんなど、今まで主に「検診」で見つかってきた消化器系のがんに多いようです。

 

残念ながら、懸念していたことが起きてしまった・・・という気持ちです。

「感染が心配なので検査はコロナが落ち着いてから」という気持ちも分かりますが、コロナとの闘いが長期化する中、いつになったら治まるのか分からない状況でいつまでも検査を先延ばしにすることはお勧めできません。

とくに、ピロリ菌の感染があるまたは除菌後の方、過去に大腸ポリープや大腸がんの切除を受けたことがある方、潰瘍性大腸炎の方など、がん発生の危険性が高い人には、定期的な内視鏡検査は欠かせません。

がん検診や定期的な内視鏡検査を受けるのは、決して「不要不急」なことではないのです。

 

がんになる人の数は、コロナには関係ありません。

そして、がんの進行は待ってはくれません。

がんの発見が遅れ、進行した状態で見つかると治療の選択肢は狭まってしまいます。

 

クリニックでは、皆様にご安心頂けるよう徹底した換気や使い捨ての個人防護具の装着などできる限りの感染防護策の上で内視鏡検査を行っています。

「適切な」「必要な」受診までも控えた結果、命を落とすような悲しい出来事が起こらないことを願っています。

 

西宮市田中町5-2西宮駅前メディカルビル3F

「ひだ胃腸内視鏡クリニック」院長 樋田信幸の公式ブログ