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ひだ胃腸内視鏡クリニック

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便秘で命を落とすって本当!?

便秘で命を落とすって本当!?

新型コロナウイルスの蔓延によって外出の自粛や在宅勤務などライフスタイルの急な変化を余儀なくされる中、便秘に悩む人が増えているようです。
うんち記録アプリ「ウンログ」が4月に行った調査によると、コロナの影響による生活スタイルの変化でストレスを感じている人の約半数が排便やうんちの状態が「変わった」と答え、さらにそのうちの4割の人が「便秘になった」と回答したとのことです。
これは、自宅にこもるストレスに加えて、運動不足が影響しているものと思われます。

「たかが便秘でしょ!」だと思われがちですが、実は便秘で「命を落とす」こともあるんですよ。

え〜、便秘で死ぬなんてそんな大げさな〜・・・と、思われるでしょうが、便秘は生活の質を落とすだけでなく、直接命に係わる病気の危険性を高めることが分かっています。

日本やアメリカの疫学研究において、便秘の人には心血管の重大なイベント(心筋梗塞など)が起こったり、脳卒中が起こったりしやすく、命を落とす危険性が高いことが示されています。

便秘の人に循環器系の病気が起こりやすい理由はさまざまありますが、とくに硬い便を出そうとお腹に力を入れて「いきむ」ことが良くないようです。

強く「いきむ」時には、息を止めます。すると、迷走神経の刺激で全身の筋肉が緊張し、普段以上の力が出ます。いわゆる「火事場の馬鹿力」と言うやつです。
便がたまっている直腸の筋肉も緊張しますので、無理やり便を出すことができるのです。
医学的にはこれを「ヴァルサルヴァ法」と呼びます。
ところが、「いきむ」ことで迷走神経が刺激されると、筋肉の緊張だけでなく、胸腔内圧が上昇し、急激に血圧が上がったり、心拍数が上がったりして、心臓にかなりの負荷がかかります。

外傷以外の原因による突然の心臓停止で救急部に運ばれてきた患者さんのうち、なんと11%がトイレで心停止が発症していたとの日本の報告もあります。(藤田保健衛生大学:2006年-2009年)

もともと心臓に何らかの病気を持っている方などが便秘が原因で「いきむ」と、それが命取りになる可能性があるのです。

「たかが便秘」ですが「されど便秘」です。
「いきむ」こと無くスムーズに便が出るように、生活習慣を正したり、適切な治療を受けたりすることが必要です。

 

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「ひだ胃腸内視鏡クリニック」院長 樋田信幸の公式ブログ