今日は世界IBDデーです
今日、5月19日は世界IBDデー(World IBD Day)です。
1990年5月19日に欧米の炎症性腸疾患(IBD)患者会と、世界消化器病学機構が世界会議を行ったことを記念して制定されました。
毎年5月19日には、世界各地でイベントが催され、IBD患者さんが結びつき、励まし合いながら、IBDという難病の正しい理解に向けて啓発活動が行われています。
この日には、これまで、ギリシャのパルテノン神殿やイタリアのコロッセオ、ピサの斜塔、エジプトのピラミッド、など名立たる世界遺産がIBDのイメージカラーである紫色にライトアップされてきました。
そして、2018年5月19日にはここ地元兵庫で、「姫路IBD」患者会のご努力により、姫路城のライトアップイベントが行われたのです。
IBDの患者さんが、難病を抱えながらも学んだり、働いたり、自分らしく充実した毎日を送るためには、医療機関との関りだけでなく、時には患者さん同士で情報や経験を共有することも大切です。
わたしも、何度かIBDの患者会に参加させていただいていますが、患者さん当人にしか思いつかないようなアイデアや的確なアドバイスがあり、学ぶことが毎回たくさんあります。
また、患者さんの力は、国の制度を変えるほどの大きな力になることさえあります。
この度の新型コロナウイルス騒動で医療従事者や保健所のスタッフが疲弊する中、難病の医療受給者証の更新手続の手間と労力を省いてコロナ対策に注力できるようにと、全国のIBD患者会の集まりである「IBDネットワーク」から厚生労働大臣に要望書が出されました。
こうした患者会などの声もあり、この度、医療受給者証の有効期限が1年間延長されることが決まりました。
今年の更新申請手続きは不要となりましたので、受給者証をお持ちのIBD患者さんはどうぞご安心ください。
潰瘍性大腸炎とクローン病を合わせるとおよそ30万人もの患者さんを抱える日本ですが、一般の方々への「IBD」という病気の認知度・理解度はまだまだ不足しています。
周りの人に病気について正しく認識してもらうことは、患者さんが生活していくうえでとても大事なことです。
微力ながらも、医師としてIBDの患者さんの力になれるような発信を続けていきたいと思います。