ローガン
- 2024年9月16日
- 日常
小学校低学年からドがつくほどの近視であった。
視力はみるみるうちに落ち、視力検査の時に、裸眼では一番上にある視力0.1の輪っかの向きさえ見えない。全部ぼやけた〇。
見えない人は、見えるところまで50cmずつ視力板に近付いていかなきゃいけない。
そんなのメンドクサイので、一番上の3つの輪っかの向きを両目の時に見て必死に覚えておくというセコイ作戦を企てるのであるが、そもそも輪っかを指している棒が見えないという悲劇・・・。
そして、いつの間にやら乱視まで加わり、裸眼ではおぼろげに人の輪郭が認識できる程度で、ほぼ何も見えないに等しい状態に。
当然ながら、小学生からの眼鏡っ子。
そして、大学生からコンタクト。
まぁ、コンタクトさえしていれば、時々目にゴミが入ったときに悶絶したり、付けたまま寝たときに目の中でカッピカピになったりするぐらいで、とくに生活に困るようなことはなかったのであるが・・・
最近、スマホやら印刷物やらの小さい文字が、あからさまに見えなくなった。
45歳ぐらいから徐々に、そしてこの2-3年急激に。
「気のせいやな。」
「疲れ目やな。」
「スマホが汚れてるんちゃうか。」
・・・と思った。否、思いたかった。
・・・が、何日経っても、目を休めても、画面を拭いても、やっぱり見えない。
もしや・・・これが・・・あの・・・
世にいう「老眼」というやつなのか?
ちなみに、老眼(ろうがん)は実は俗称で、老視(ろうし)が正式名称だそうな。
どっちでもええけど、何か「老眼」って言葉、感じ悪ない?
最近では、「シニア・アイ」とか「エイジング・アイ」とか、やや忖度した呼び方もあるそうだが、どっちにしても劣化感は否めない。
「オレさぁ、最近エイジング・アイでさぁ、近くの物がみえないんだよね。」
とか言うの、絶対無理やわ。
いっそのこと、外人風に「ローガン」とかにしたらええのに。
ヒュー・ジャックマンみたいやし。(そんな名前の映画、あったなぁ)
えっ? 聴いてる分には「老眼」も「ローガン」も一緒やって?
まぁ、時間と共に失うものや、できないことが増えていくのは自然の摂理。
見えないものって、きっと見なくていいものなんだよ。
お肌の細かいシワとかね。
・・・と、きれいごとを言って済めばいいのだが、こまごましたものが見えないのはやっぱり日々困るのである。
そんな近視・乱視・老眼の3重苦に苛まれていた矢先、同じく老眼に悩まされていたヨメさんが、なにやらよさそげな眼鏡を作ってきた。
どうやら、遠くも近くも見えるという眼鏡らしい。
そんな便利なもんがあるんや。世の中には。
レンズの下の一部が老眼鏡になっており、目線を落とせば近くがくっきり、まっすぐ見ればいちいち眼鏡を外さなくても遠くまでくっきり。
しかも、おしゃれなデザインの眼鏡に、好きにレンズを入れられると言う。
老眼鏡と言えば、いかにもおじいさんやおばあさんが掛けていそうなネガティブなイメージしかなかったわたくし。
見えないものを見ようとして~老眼鏡を覗き込んだー♪(←BUMPのファンに怒られるで)
・・・には、どうしても拒否感が強く一歩が踏み出せなかったのであるが、これならよさそう。
・・・で、さっそく作りに行ってきました。
近くを見るとき以外はコンタクトで過ごしたい私は、上半分は視力矯正のないレンズだけの伊達メガネ、下だけ老眼鏡の仕様に。
出来上がった眼鏡を掛けてみると・・・おーっ!確かに手元がよく見える。
「疲れ目」じゃなかったのね。(←今頃認めたんかい!)
診察中には手元のこまごましたもの見る機会がないので、クリニックで眼鏡姿をお見せすることはめったにないと思いますが、密かに老眼鏡デビューを果たした院長なのでした。
「ひだ胃腸内視鏡クリニック」院長 樋田信幸の公式ブログ
日本消化器内視鏡学会専門医
日本消化器病学会専門医、評議員
日本消化管学会胃腸科専門医
日本炎症性腸疾患学会IBD専門医・指導医