プロフェッショナルとは
- 2022年8月29日
- 日常
「プロフェッショナル」・・・この言葉を、この人ほど体現している日本人は、他には居ないのではないでしょうか?
昨日、シアトル・マリナーズのホーム球場で、イチローさんの球団殿堂入りを祝うセレモニーが行なわれました。
大ファンのわたしは、さっそくYouTubeで拝見しました。
イチローさんらしいユーモアにあふれ、野球に対する熱い思いが込められた15分を超える英語のスピーチに、満員のスタンドが沸き、温かい雰囲気に包まれていました。
「言葉とは「何を言うか」ではなく、「誰が言うか」ではないですか?」
現役時代のイチローさんの名言です。
野球を心から愛し、どんな状況におかれても毎日努力を積み重ね、現役を退いた今でさえ、それを体現し続けている「イチローさんの言葉」だからこそ、心に響くのだと思います。
イチローさんを見ていると、アマチュアとプロフェッショナルの差はもちろんのこと、普通のプロ選手と超一流と呼ばれる選手の間にも、歴然とした差があることがよく分かります。
さらに、イチローさんの場合は超一流のさらに上。
普通、メジャーで殿堂入りが確実視されているような超の付く大物であれば、余生をのんびりと過ごすのが当たり前です。
大抵は現役の時よりぽっちゃりし、中には見る影もない人も・・・。
ところが、イチローさんの場合は、現役引退後もマリナーズの若手選手のよき手本として、よき練習相手として、努力することを止めません。
さらに、シーズンオフには、日本で高校球児や女子選手の指導まで行っています。
スーパースターが掛ける一言は、球児にとってどれだけうれしく、刺激になることか。
しかし、そのための「準備」にかかる時間と努力は、年齢と共におそらく現役の時以上に大変になっているはずです。
イチローさんは、誰よりも「準備」を大切にするプロだと思います。
「しっかりと準備もしていないのに、目標を語る資格はない。」
「準備というのは、言い訳の材料となり得るものを排除していく、そのために考え得るすべてのことをこなしていく。」
「特別なことをするために、特別なことをするのではない。特別なことをするために、普段どおりの当たり前のことをする。」
「毎日、同じ情熱を持ち、自分のやるべきことをやることが必要。」
すべて、イチローさんが発した言葉です。
プロフェッショナルとは、差別化されたスキルを身に付けることだけではありません。
身に付けたスキルを最大限に発揮するために、地味で辛くても日々の準備を怠らないこと、さらに現状に満足せずに努力し、進化し続けられる人こそが、真のプロだと思います。
しかし、多くの人にとって、それはとても難しいことです。
「努力せずに何かできるようになる人のことを「天才」というのなら、僕はそうじゃない。努力した結果、何かができるようになる人のことを「天才」というのなら、僕はそうだと思う。人が僕のことを、努力もせずに打てるんだと思うなら、それは間違いです。」
「プロフェッショナルとは何か?」を体現し続けるイチローさんの言葉を嚙みしめながら、ジャンルは違いますが、胃腸科の、内視鏡の、IBD診療のプロとして、いや、プロと名乗って恥ずかしくないように、日々の準備と努力を怠らないようにがんばろうと思います。
西宮市田中町5-2西宮駅前メディカルビル3F
「ひだ胃腸内視鏡クリニック」院長 樋田信幸の公式ブログ
日本消化器内視鏡学会専門医
日本消化器病学会専門医、評議員
日本消化管学会胃腸科専門医