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ひだ胃腸内視鏡クリニック

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サーファーと納豆アレルギー

サーファーと納豆アレルギー

国内屈指のサーフスポットとして知られる神奈川県の湘南エリア。

この地では、納豆を食べるとアレルギーを起こす人が多いのだそう。

サーフィンと納豆・・・まったく関係がなさそうですが、実は大いに関係あるのです。

 

これにも、先週のブログ「花粉症と食物アレルギーの意外な関係」でお話しした「交差反応」が関係しています。

 

昭和大学の皮膚科の教授が、納豆アレルギーについての報告したのは2004年のこと。

つい最近ですね。

わたしがこの興味深い事実を知ったのも、実はついこの間のことです。

 

・納豆アレルギーを発症する人にはサーファーが多い

・そのうちの一人が中華のクラゲ料理を食べてアナフィラキシーショックを起こした

という事実が、原因を解明するきっかけになったとのこと。

 

サーフィンのときにクラゲに刺されることが、納豆アレルギーを引き起こす原因なのではないか・・・という仮説を検証した結果、クラゲと納豆にある共通点が見出されたのです。

 

それは、納豆のねばねばに含まれる「ポリガンマグルタミン酸(PGA)」と呼ばれる成分。

納豆菌が大豆を発酵する過程で作られ、グルタミン酸の名が示す通り旨味成分でもあります。

 

そして、この「PGA」は、クラゲの触手が標的に触れて毒針を刺す!という瞬間にクラゲから生みだされる成分でもあったのです。

 

クラゲに繰り返し刺されたサーファーは、PGAが皮膚から体内へ何度も取り込まれています。

そこに、PGAを含む納豆を食べると、クラゲと同じアレルゲンが侵入したと体が認識し、じんましん、呼吸困難、嘔吐、下痢、意識喪失などのアレルギー症状が起きてしまいます。

 

納豆に含まれるPGAが腸から体に吸収されるまでには時間がかかるため、食べた直後に症状がでる他の食物アレルギーとは違い、アレルギー症状がでるのは納豆を食べてから4〜12時間後と、かなり遅いのが特徴です。

 

食べてからの時間がこんなに空いては、納豆が原因だとはすぐに気付かないかも知れません。

 

そしてさらにやっかいなことに、PGAは食品の保存料・増粘剤・旨味成分としても使われており、インスタント食品、調味料やスポーツ飲料、医薬品やサプリメント、化粧品や石鹸など、あらゆるものに含まれているのだそう。

 

これだと、アレルギーに気付くのはますます難しそうです。

 

そもそもサーフィンにまったく馴染みがなく、納豆嫌いの人が多いと言われる関西人にとっては、あまり関係がない話ではあるのですが・・・クラゲに刺されるのは、なにもサーファーだけに限りませんので、海水浴やシュノーケリング、ダイビングなどの際にはご注意を。

 

わたしは関西人だけど納豆大好き。

 

将来、納豆アレルギーにならんように、サーフィンは控えとこう。

(←そもそも、やったことないやろ!)

 

「ひだ胃腸内視鏡クリニック」院長 樋田信幸の公式ブログ

 

日本消化器内視鏡学会専門医

日本消化器病学会専門医、評議員

日本消化管学会胃腸科専門医

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