サウナで「ととのう」とは?
- 2020年10月13日
- 日常
サウナ―仲間から神戸に凄いサウナができたとの情報が舞い込みました。
こりゃあ、行かずにはいられない・・・という事で、さっそく今年7月にオープンしたばかりのサウナリゾートオリエンタル神戸に行ってきました。
ポートアイランドのホテル内にあるサウナ施設で、サウナは105℃、そして水風呂はなんと9℃!業界用語で「シングル(一桁の水温)」っていうキンキンのやつです・・・。
上級者向けのかなり凶暴な設定で、落差は実に96℃!・・・そりゃ、ととのいますわ・・・。
設備のクオリティーも高く、しかもほぼ貸し切り。大満足でした。
さて、サウナで「ととのう」とはどういう状態をさすのでしょうか。
「ととのう」のはサウナに入っている時ではありません。サウナで超高温に耐え、さらに水風呂で超低温に耐え、その後の休憩の時に「それ」は訪れます。
人によって感じ方や表現の仕方はそれぞれ違うようですが、
・血管が開き、体全体が内側からじんわりと温かくなる
・皮膚がフツフツと沸き立つ・しびれる感じがする
・聴覚などの感覚が研ぎ澄まされ、心臓の鼓動を感じる
・視界が揺れて、多幸感、恍惚感に包まれる
・体がふわふわ浮かんでいるように軽くなる
・昇天!
といったところです。
では、なぜサウナで「ととのう」のでしょうか?
サウナに入るということは、いきなり地球上で一番熱い過酷な環境に裸の体をさらすということです。100℃って尋常じゃないですよね。ずっと居続けたら間違いなく死んじゃいます。
いつもとまったく違う超高温の極限状態にさらされた体は、命の危険を感じて自立神経の機能をフル稼働して対応します。交感神経が活性化すると、血管は拡張、心拍数は上昇し、体中をより多くの血液が循環するようになります。さらに、水分の蒸発を盛んにして体温を下げるために、大量の汗が出てきます。100℃の高温で数分間耐えられるのは、人間のすぐれた発汗能力のおかげなのです。
お次は水風呂。限界まで熱せられた体が、今度は超低温の水につけられます。さっきとは真逆の極限状態です。「シングル」の水温だと浸かっていられるのはせいぜい20~30秒の短い間ですが、当然体と脳は「今度はなんじゃこりゃ!やばい!」と大混乱します。またまた、交感神経、血圧、心拍数、脳内ホルモンなど、普段は眠っている身体の機能をフルに活性化させて、生きるために必死に環境に適応しようとします。
そして、最後に休憩です。非日常的な生命の危機を体に与えた後の「休憩」は、サウナで最も大切な時間です。超高温からの超低温という極限状態から解放され「は〜〜生きのびた〜!」と感じた体の中では自律神経のスイッチが切り替わり、今度は真逆の副交感神経が働き出して、平常時のバランスに戻っていきます。日常生活では絶対に起こらないようなものすごく大きな振れ幅で、自律神経のバランスが変化するというのがポイントです。この時に感じる、心身ともに究極にリラックスした穏やかな状態こそが「ととのう」の正体と考えられます。
現代人は、エアコンなどの空調に守られて身体機能とくに自律神経が鈍っていると言われています。サウナは、人間の眠っている本来の機能を呼び覚まし、心身ともにコンディショニングしてくれる大事な場所なのかもしれません。
さて、しっかりととのったし、明日からまたがんばろう!
西宮市田中町5-2西宮駅前メディカルビル3F
「ひだ胃腸内視鏡クリニック」院長 樋田信幸の公式ブログ