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ひだ胃腸内視鏡クリニック

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クローン病の治療選択:SDMとは?

クローン病の治療選択:SDMとは?

一口にクローン病といっても、炎症を起こしている部位や程度は個々の患者さんでさまざまです。

ずっと病気の勢いが軽いままの方もおられますが、多くの場合、積極的に治療をしないと病気は進行していきます。

 

クローン病が進行すると起こってくるのが「腸管合併症」。

 

同じ炎症性腸疾患である潰瘍性大腸炎の炎症が腸の表面の粘膜だけに留まるのに対し、クローン病の炎症は、粘膜だけでなくやっかいなことにさらに深い部分にまで及びます。

 

すると、腸が硬く狭くなったり(狭窄)、腸管に孔が開いたり(穿孔)、腸の外に膿が溜まったり(膿瘍:のうよう)、腸と腸あるいは腸と皮膚などにトンネルができたり(瘻孔:ろうこう)・・・こういった腸管合併症と言われる状態にまで至ると、薬による治療では元には戻らず、多くの場合で外科手術が必要になってしまいます。

 

クローン病の患者さんを治療する上で重要なポイントは、個々の患者さんの病気の勢いを見極め、腸管合併症を起こさないうちにタイミングを逃さず、しっかりと炎症を抑える治療を行うことです。

 

抗TNFα抗体製剤のレミケードに代表される生物学的製剤が登場し、必要に応じて病気の早期から積極的に使えるようになってからというもの、手術が必要になるクローン病患者さんは明らかに減りました。

 

さらに今では、先日のブログで抗IL-23抗体製剤のスキリージという新薬が使えるようになったお話をしたように、抗TNFα抗体以外の別の作用機序で炎症を抑える新たな生物学的製剤が次々と承認され、治療の選択肢が増えています。

 

ただし今のところ、たくさんの治療法の中からどういった患者さんにどれを選ぶべきかについては、明確な答えがありません。

 

治療方法が限られていた時代には、わたしたち医師は患者さんに「絶食で腸を休めることで治療します。それでダメなら手術です。」といった方針を説明し、患者さんの理解を得る「インフォームドコンセント」という方法で治療を決めていました。

 

ところが今は、それではダメです。

 

治療が進歩したからこそ生まれた悩みでもあるのですが、

・2つ以上の治療の選択肢があり

・根拠(エビデンス)が不十分で

・どれが患者にとって良いのか分からない

という昨今の状況の中、各種治療法のメリットだけでなくデメリットも伝え、患者さんのこれまでの治療歴、好みや希望にも沿って、医師と患者さんが一緒に相談しながら治療を決めていく・・・これを「Shared Decision Making(共有意思決定:SDM)」と呼んでいます。

 

この度、わたしたちのクリニックでクローン病患者さんのSDMの際に使う説明用紙を新たに作成しました。

一緒に治療を選ぶ際の参考にしていただければ幸いです。

 

「ひだ胃腸内視鏡クリニック」院長 樋田信幸の公式ブログ

 

日本消化器内視鏡学会専門医 

日本消化器病学会専門医、評議員

日本消化管学会胃腸科専門医

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