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胃カメラが辛く感じる理由はいろいろとありますが、とくに辛いのは舌の奥にカメラが触れてオエッとなる「嘔吐反射」です。
その感じ方には個人差があるのですが、わたしは朝の歯磨きでさえオエッとなる人です。
嘔吐反射が強いわたしのようなタイプの人にとって、胃カメラは恐怖です。
患者さんに胃カメラを入れるのは得意ですが、いざ自分が受けるとなるとなかなか気が進みませんでした。
その気持ちを変えてくれたのは、経鼻胃カメラです。

内視鏡は日々進化しており、直径が5ミリ程度の鼻から入れることができる極細径の胃カメラが出ています。

鼻からカメラを入れると、口から入れるのと違い、舌の根元にカメラが触れないのでオエッとなりにくくなります。わたしも初めての胃カメラを、オエッとならずに苦痛を感じることなく受けることができました。
しかも、検査中に普通に会話ができるので、何かあればいつでも伝えられる安心感があります。

経鼻胃カメラの登場は、ある意味胃カメラの「革命」でした。

しかし、発売当初の経鼻胃カメラは、細くした分、経口カメラに比べると画面が暗い、画質がいまいち、しっかりと曲がらないなど、患者さんは楽だけれども精密に診断するためには問題点もありました。

この度、わたしたちのクリニックで導入を予定しているのは、極細でありながら非常にきれいで明るいハイビジョン画質を実現した、これまでの欠点を克服した最新のカメラです。

患者さんに楽に検査を受けていただくのはもちろん、病気を見落とさない精度の高い検査が提供できるようにしたいと思います。

ただ、経鼻カメラは小顔の女性など鼻が狭い人には、かえって辛く感じることがあります。
その際には、口から胃カメラを行います。

口から入れる場合でも、オエッとならないように喉のどこを通るか、胃をできるだけ伸ばさないためにどう胃の壁を押すか、苦しく感じないようにどのタイミングで胃を膨らますかなど、さまざまなテクニックで患者さんが辛くないように対処することができます。

また、患者さんのご希望に応じて鎮静剤や鎮痛剤を使わせていただきます。どうしても緊張してしまう方や、不安が強い方にも鎮静剤はお勧めです。
わたしは、鎮静剤を使った口からの胃カメラも体験済みですが、眠っている間にウソのように終わっていました。

鼻からの胃カメラ、口からの胃カメラ、どちらも患者さんが楽に受けていただけるように最良の方法を提案しますので、「胃カメラは辛い」と身構えずにどうぞお気楽にお越しください。