ふんわりラップと思い込み
料理のレシピでよくみかける「ふんわりラップをかけて」という言葉。
みなさんはどんな感じに「ふんわり」させていますか?
今年の5月、ツイッター界をざわつかせたこんなツイートがありました。
えっ!?そうなん!?
「なんとなく雰囲気でふわっとかけてた。」
「わざと隙間あけてチンしてた。」
「なんなら皿のサイズより小さくてもOKぐらいの認識だった。」
「完全に間違えてた。地味にめちゃくちゃショック。」
といった驚きの声が集まり、10万件以上の「いいね」が付いています。
かく言うわたしもその一人。
「ふんわりラップ」という言葉の持つ雰囲気で、「蒸気を逃がすため」「密閉しちゃダメ」な意味だと、勝手に思い込んでいました。
Panasonicの公式サイトによると、ふんわりラップをかける意味は
「温めた食品の蒸気でラップが膨らんでも、ラップが破れないように」とした上で、
「ラップの端は蒸気を逃がさないように器にぴったりとつけてください。」
「水分を逃がさず、より上手においしく温めることができます。」
としています。
まぁ、よくよく考えると、隙間を空けて温めたら、水分が抜けて肉や野菜が硬くなったりパサついたりしてしまいますよね。
何のメリットもありません。
そして、逆にラップをピーンと張った状態で加熱しても、電子レンジの熱が一気に入りすぎてしまい、同じように食材がパサつく原因になるのだそうです。
レンジから取り出したときに、ラップが凹んでピッチピチに食材に張り付いていたり、破裂したりしてしまうのは、ラップをピーンとかけすぎているサイン。
正しい「ふんわり」とは、ラップをアーチ状にゆとりをもたせてかけつつ、周りはお皿にしっかり密着させること。
こうすることで、内部の熱の籠もりがゆるやかになり、食材の水分が活かされて肉も野菜もしっとりやわらかく仕上がるのだそう。
たかがラップのかけ方一つで、料理の出来上がりが大きく変わるとは!
保存には「ぴっちり」電子レンジには「ふんわり」がラップの鉄則だったんですね。
知らんかった・・・ (;^_^A
思い込みって怖いものです。
内視鏡検査の時に、胃や腸の汚れを水で洗い流して観察するために「内視鏡用送水ポンプ」という装置を使っています。
こいつが「癖もん」で、機嫌のいい時には水が勢いよく出るけど、出ないときは空回りしてうんともすんとも出ない。
その度にチューブの位置を看護師さんに微調整してもらって、なんとなくご機嫌を取っていました。
・・・が、あまりにも調子に波がありすぎるので、改めて説明書でチューブの取り付け方を確認してみると・・・
なんと、間違ってました。
マニュアル通りにセットすると、ちゃんと出るやん。
「癖もん」扱いしてごめんなさい。
「そうに違いない」「そうに決まっている」という思い込みが、うまく行かない原因になっていることがあります。
とくに、慣れてしまってあたりまえの習慣になっていることほど、要注意。
うまく行かない時には、今さら・・・と思わずに初心に帰って「本当に正しい手順なのか?」を確認することも、大切ですね。
西宮市田中町5-2西宮駅前メディカルビル3F
「ひだ胃腸内視鏡クリニック」院長 樋田信幸の公式ブログ
日本消化器内視鏡学会専門医
日本消化器病学会専門医、評議員
日本消化管学会胃腸科専門医