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ひだ胃腸内視鏡クリニック

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胃腸内科 / 内視鏡内科

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お酒を飲むと「がん」になる?

お酒を飲むと「がん」になる?

お酒って、おいしいですよねぇ…。
自粛生活の昨今は、オンライン飲み会なるものも巷で流行っているようです。

でも、ビールの苦みやワインの酸味を「おいしい!」と感じるのは、本当はかなり不自然な事なのです。

味覚というのは、口に含んだものが栄養になる成分(甘味、うま味、塩味)なのか、腐ったり有害な成分(苦み、酸味)なのかを本能的に見分ける機能です。
ところが人間だけは、本能的には危ないと感じているにもかかわらず、お酒の持つ苦みや酸味を楽しんでしまう生き物なのです。
そう、あえてジェットコースターやホラー映画を楽しむように…。

でも、やはり「危険だ!」と知らせている本能はバカにはできません。

お酒とがんの関係について、きちんと知っているという人はあまりいらっしゃらないと思います。
実はアルコールは、次の7つのがんの原因になることが分かっています。

• 口腔がん
• 咽頭がん
• 喉頭がん
• 食道がん
• 大腸がん
• 肝臓がん
• 女性の乳がん

このうち、乳がんを除く6つは消化器系のがんです。そして、乳がんと肝臓がん以外は、わたしたちが行う内視鏡検査(胃カメラと大腸カメラ)で見つけることができます。

アルコールが直接通る消化器系のがんや、アルコールを分解する肝臓のがんに関係しそうなことはイメージが湧くと思いますが、女性の乳がんにも関わっていることは意外に感じられるかもしれません。

どうしてアルコールはがんの原因になるのでしょうか?

アルコールを飲むと、体内でアセトアルデヒドという有害な化学物質に分解されます。この物質が体の細胞のDNAを傷つけることで、がんを引き起こします。

さらにアルコールは、乳がんのリスクとなるエストロゲン(女性ホルモン)の血中濃度を上昇させます。また、エストロゲンはがん細胞と結びついて、がんの増殖を強める作用もあるので、乳がんのリスクも上がるのです。

ちなみに、発がんのリスクは、ワインやビール、蒸留酒などお酒の種類とは無関係です。
誰ですか?「ワインは体にいいんだ!」とか言い張って飲んでいるのは…

大事なのは質ではなく量です。
アルコールの総量を減らすほどにがんのリスクは低下しますので、飲む方は量に注意して、少なくとも休肝日を設けましょう。
アルコールの適量は1日23gまで。ビール大瓶1本、日本酒1号、焼酎25度120mL、ワイングラス2杯200mLが一応の目安ですが、体質にもよりますし少量でもリスクゼロにはなりません。

しかし、困ったことに「わかっちゃいるけど、やめられない〜」のが、お酒の魔力なんですよねぇ…

クリニックでは、お酒やたばこなど、消化器のがんに係わる生活習慣について問診させていただき、個人個人のリスクに応じた検査(胃カメラ・大腸カメラ・腹部エコー検査)を提案したいと考えています。