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ひだ胃腸内視鏡クリニック

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胃腸内科 / 内視鏡内科

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お助け大腸カメラ

お助け大腸カメラ

大腸カメラを数多く行っていると、時折「おそろしく挿入が難しい腸」にぶち当たります。

 

「簡単な腸」と「超絶に難しい腸」では、もはや同じ検査とは思えないほど、その検査にかかる労力は雲泥の差。

時には、検査1件で汗だくに (^_^;)

 

腸の形は人それぞれの「個性」ですから、もちろん患者さんが悪いわけではありません。

ですが、検査後に「めっちゃ大変な腸だったから追加料金ね」と、思わず言いたくなることも・・・

(←冗談ですが、たぶん多くの大腸内視鏡医が思っている本音)

 

挿入が難しい理由は、痩せ型・便秘の女性に多いねじれや曲がりが非常に強い腸、とんでもなく長くて緩んだ腸、大腸憩室や開腹手術によってガチガチに癒着している腸などさまざまですが、そのほとんどは兎に角丁寧に大腸カメラを挿入することでなんとかなります。

 

ところが、どんなにがんばってテクニックを駆使しても、腸の曲がりがあまりにも強く、引いても短縮できない、押しても抵抗が強くて危ない・・・といった超挿入困難例の方もおられます。

残念ながら、検査を途中で断念せざるを得ないということも、稀ですが(数百人に1人程度)あります。

 

そういった患者さんを1人でも減らしたい・・・という思いで、通常の大腸カメラに加えて昨年の春にクリニックに導入したのがSIF-H190という特殊なカメラ。

クリニックでこのカメラを置いていることは滅多にないでしょう。

本来は小腸を検査するためのカメラで、スコープの外側にチューブとバルーンを取り付け、腸を手繰り寄せながら大腸の先の小腸の観察や処置を行うために開発されました。

(オリンパスのホームページより)

 

わたしは、このカメラの細くて柔らかいという特性を生かして、外側のチューブやバルーンは使わずに、超挿入困難例専用の「お助け大腸カメラ」として使っています。

 

口から挿入する通常の胃カメラよりも細くてしなやかな超細径超軟性スコープのため、たとえ癒着があっても、大腸への負担を最小限にして挿入することが可能です。

クローン病などで腸に狭いところがある方にも有効です。

しかも、細いにも関わらず画質は通常の大腸カメラに劣らない高精細なハイビジョン。

拡大して観察する機能はありませんが、診断や処置をするのにも支障はほぼはありません。

 

通常の大腸カメラでの挿入が難しいと感じたときには、SIF-H190の出番です。

スタッフが素早くカメラをチェンジしてくれます。

 

「じゃあ、最初から全部そのカメラでやればよいのでは?」と思われるかも知れませんが、細くて柔らかいカメラは取り扱いが難しく、使いこなすにはまた少し違った技量が必要です。

 

「カメラが柔らかい」=「腸を伸ばしやすく畳みづらい」ことにも繋がります。

盲腸までカメラを到達させるためには、最終的に腸が伸びずに畳み込まれている状態を保たなければなりません。

柔らかいカメラは柔らかいなりに、その特性に応じた内視鏡医の繊細なテクニックが要求されるのです。

 

大腸内視鏡による検査と治療を安定して提供するためには、「挿入」「診断」「治療」の3つの技術をだけでなく、時として患者さんに最適な「機器を選ぶ」という4つ目の要素がどうしても必要な場面があります。

 

普段は使わないような特殊な機器を揃えないといけないということですので、大きな病院に比べると不利なのですが、できる限りクリニックだけで検査や処置を完結できるようにがんばっています。

(今年も新たな特殊内視鏡機器を買おうかと思案中・・・)(←内視鏡マニア)

 

この新たな武器を駆使するようになってから、今のところ盲腸まで挿入できなかった患者さんはいません。

 

西宮市田中町5-2西宮駅前メディカルビル3F

「ひだ胃腸内視鏡クリニック」院長 樋田信幸の公式ブログ

 

日本消化器内視鏡学会専門医

日本消化器病学会専門医、評議員

日本消化管学会胃腸科専門医

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