「行けたら行くわ」と「知らんけど」
関西人が何気に使うワード「行けたら行くわ」。
わたしもMR(製薬会社の営業担当)さんからイマイチ興味をそそられない研究会の案内状なんかを渡された時によく言うてしまいますが、その本音は・・・
ひょっとして魔が差したら(←使い方間違っとる)行くかもなぁ・・・
でも、まぁ、たぶん、いや、99%行かんやろうなぁ・・・
・・・という感じです。
そう、関西では「行けたら行くわ」は「行きたくない時に使う」返事なのです。
こう返事して実際に行く人は、きっと1割もおらんはず。
ところが、関東ではこのニュアンスは全然伝わらないらしい。
関東での「行けたら行く」は、「なんとか都合を付けて行くようにする。」という前向きな意思表示であり、「大体行きますよ。行けたら行くって言ったのに、来なかったら腹が立つ。」というご意見も。
・・・えっ、そうなん!? ( ̄□ ̄;)!!
もしかして関東出身のMRさんって、あの人「行けたら行く」って言ってたのに!って怒ってたん?
関東の皆さま〜、関西人の「行けたら行くわ」に悪気はございませんよ〜。(たぶん)
確率的には9割行かんでも、相手を傷つけんようにする関西人の心遣いなのです。
だって、
「それ興味ないし、行かへん!」ってバサーッと叩っ切るわけにもいかんし。
そんなん言うと愛想悪いし、言われた人可哀想やし。
たまーにホンマに行くと「あの人行けたら行くわって言ってたのにちゃんと来はった!」ってサプライズになるし。(←ならんわ!)
関西人(=ほぼ大阪人)って「おもろいこと言うて圧が強くてケチでせっかちで粉もんばっかり食べてる」ような大雑把なイメージで世間から見られがちですが、実は「気ぃ使いぃ」で繊細な生きもんなんです。(たぶん)
それが、「行けたら行くわ」という返事に表れてる。
あっ、ちなみに関西人の「まぁ、考えとくわ。」は絶対に考えてませんよ。
これも関西ではおなじみの乗り気でないときのお断りの返事で、ほぼ脊髄反射です。
ご理解のほどよろしくお願いいたします。(*ᴗˬᴗ)⁾⁾⁾
そして、もうひとつの関西を代表するややこしいパワーワードが、会話の語尾に付ける「知らんけど」。
「あそこのタコ焼きめっちゃうまいらしいで。知らんけど。」
「それ絶対冷蔵庫入れとかなあかんやつちゃう?知らんけど。」
「フワちゃんのため口、あれは絶対キャラやで!知らんけど。」
こちらに対しても関東人からは、
真面目に話を聞いていたのに、バカにされてるみたいで不愉快です!
聞きかじりの不確かな情報なら、最初に断りを入れるべきなんじゃないですか?
「それなら、言うな!」と突っ込みたくなりますよ。
・・・と、非難ごうごう。
ごもっともなご意見で・・・
いや、決して関西人がええかげんで投げやりなわけじゃありませんよ。
知らんけど。(←それな!)
関西人が「知らんけど」を使うシチュエーションと意味は、
・自分はこう思うけど他の人はどうかな?というニュアンスを付け加えたいとき
・発言の信憑性について自分の責任を回避したいとき
・真面目な話をした後の照れ隠し
・断言した後のオチとして「なんや、知らんのかい!」のツッコミ待ち
などのパターンがあり、なかなか奥深い。
いや、大阪生まれのコテコテの関西人であるわたしでも、さすがに「診察中」には絶対に言いませんけどね。
医者から「知らんけど」って言われるほど怖いもんはないでしょうから・・・。
と、言うことで(どう言うことや?)、関西人の話は7〜8割程度で聞き流すことが肝心。
「気い使いぃ」で「サービス精神旺盛」で「話を盛る」傾向がありますので、そのままの言葉を真面目に信じてはいけません。
関西人を代表して(←何様?)関東方面、いや全国のみなさまに謝っときます・・・ややこしくてほんまにすんません。
以上、医療と全く関係のないどうでもいい「関西あるある」ネタでした。
こういう内容の方が医療のこと書くよりスラスラ書けたりして・・・
西宮市田中町5-2西宮駅前メディカルビル3F
「ひだ胃腸内視鏡クリニック」院長 樋田信幸の公式ブログ
日本消化器内視鏡学会専門医
日本消化器病学会専門医、評議員
日本消化管学会胃腸科専門医