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ひだ胃腸内視鏡クリニック

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「老後にやろう」はダメ

「老後にやろう」はダメ

フリーアナウンサーの小倉智昭さんが2024年12月9日、膀胱がんのためお亡くなりになりました。

 

小倉さんは今年の3月、日本経済新聞に「「老後にやろう」はダメ 闘病の末の本音」と題したコラムを遺されており、亡くなられた今、その内容が再び注目されています。

 

「今の状態は理想の隠居じゃない」という書き出しから始まるこのコラム。

病気になったことで、趣味の映画や音楽鑑賞などが思うようにできなくなってしまった現状とその心のうちを、ありのままにつづっておられます。

 

そして、コラムの最後はこんな文章で締めくくられています。

 

体が動くうちに海外旅行をすればよかった。

ワインのおいしいお店に行っても自由に飲めない。

若いうちにやれることがあったらやったほうがいい。

老後にやろうと思っていても、

老後になるとできないことがあまりにも多すぎる。

残された人生で何ができるか。

こんな体験を笑って話せる人はあまりいない。

少しは勇気を与えられればと思う。

 

わたしは今、54歳。

どんなに長く生きたとしても、人生の半分以上が過ぎました。

日々体の衰えを感じ、老後という言葉に現実味が増していく今、小倉さんの切実な言葉が心にぶっ刺さります。

 

ありがたいことに、今まで病気らしい病気は患ったことがなく、今年の検診でも何1つ異常がない健康体ではありますが、人間なんて年齢に関係なく、いつまで元気でいられるか、いつまで生きられるかなんて分かりません。

先日、入浴中に急死された中山美穂さんとは同い年です。

 

老後のことも考えなきゃなぁ・・・と、なりがちですが、年を取る前にやった方がいいこと、いや、年を取る前にしかやれないことはたくさんあります。

 

お金をいくら貯めても、時間は戻せません。

 

昨年亡くなったわたしの父の晩年は、病との戦いでした。

手が不自由になったため、開業医を全うした後、好きだったゴルフも麻雀もできず、ただただ日々を過ごす毎日・・・

見ていて辛いものがありましたし、きっと本人もこんなはずじゃ・・・と思っていたのではないかと思います。

 

もちろん、なんでも好きなように、思うようにできるわけではありませんが、時間やお金といった有限の財産を、いつ、どのように使うべきなのか?

 

小倉さんが遺された言葉を胸に刻んで、今後の人生を少しでも悔いのないものにしたいと思います。

 

「ひだ胃腸内視鏡クリニック」院長 樋田信幸の公式ブログ

 

日本消化器内視鏡学会専門医

日本消化器病学会専門医、評議員

日本消化管学会胃腸科専門医

日本炎症性腸疾患学会IBD専門医・指導医

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