開院4年:IBD患者さんの診療実績
内視鏡検査と並ぶわたしたちのクリニックのもう一つの「柱」が、炎症性腸疾患(IBD)の専門診療です。
開院4年目の1年間に当院に来られたIBDの患者さんは、潰瘍性大腸炎(UC)が392名、クローン病(CD)が63名でした。
開院以来、毎年約40名ものIBD患者さんに、新たに受診していただいていることになります。
そして、当院に通院中のUC患者さんの43%、CD患者さんの84%は、免疫調節剤(イムラン・アザニン)やバイオ製剤、JAK阻害剤で治療を行っている、いわゆる「難治例」に該当する方々です。
ほんの数年前まで、こういったIBDの難治例は「入院」で治療することが当たり前でした。
しかし、IBDの治療が劇的に進歩したおかげで、たとえ難治であっても、多くの患者さんを「外来」で治療できるようになりました。
実際、この1年間でそれぞれの病気の悪化が理由で入院が必要となった方は、UCが0名、CDが2名でした。
UCの患者さんに関しては、昨年も入院ゼロでしたので、幸いこの2年以上入院されることなく外来治療だけで病気をコントロールすることができています。
先日、「IBDプラス」というIBDの検査・治療・治験の情報や、患者さんとご家族に役立つプラスαの情報を提供する専門情報サイトから、
「IBD専門クリニックの院長に聞いてみた。大きな病院とココが違う!」
というテーマでインタビューを受けました。
そこでもお答えしましたが、こと外来で行う治療に関しては、大学病院でも総合病院でも専門クリニックでも、ほとんど変わりがない時代です。
わたしたちのようなIBD患者さんを専門的に診ることができるクリニックは全国で増えてきており、患者さんは治療を受ける「場所」を選べる時代になりつつあります。
患者さんにとっての良い治療とは、その患者さんに合った適切な治療が受けられるということだけではありません。
通院のしやすさ、検査の受けやすさ、気軽さ、話しやすさ、きめ細やかな対応など、病院にはないクリニックならではの強みもありますので、わたしたちのようなクリニックでのIBD治療を選択肢の一つに入れていただければ嬉しく思います。
あと、この1年の変化と言えば、日本炎症性腸疾患学会からわたし自身はIBD専門医および指導医(兵庫県で25名)に、当院は指導施設(クリニックでは兵庫県で4施設)に認定されたこと。
さり気に、ブログの下のプロフィールにも数か月前から肩書が加わっていたのにお気づきでしたでしょうか?
IBD指導医の肩書に恥じないように、これからもクリニックの理念通りに豊富な経験と最新の知識に基づいた質の高いIBDの専門医療を提供していきたいと思います。
あ、それから今年開催したイベントで忘れちゃいけないのが、「第2回ひだまり会」。
クリニックに受診されているIBD患者さんとそのご家族を対象にした、年に1度の勉強会かつ患者さんの交流会です。
来年ももちろん開催します!
第3回のテーマは「食べてケアするIBD:腸がよろこぶ食事とは?」。
日時が決まりましたらお知らせいたしますので、奮ってご参加ください。
「ひだ胃腸内視鏡クリニック」院長 樋田信幸の公式ブログ
日本消化器内視鏡学会専門医
日本消化器病学会専門医、評議員
日本消化管学会胃腸科専門医
日本炎症性腸疾患学会IBD専門医・指導医