改良版レクタブル
潰瘍性大腸炎(UC)の患者さんには、もはやおなじみのお薬「レクタブル」。
どのようなお薬かについては、以前のブログ「泡の革命:レクタブル」で詳しく説明していますのでご参照ください。
簡単に言いますと、お尻から入れて腸の炎症を抑える「泡」状のステロイド注腸製剤です。
お薬が液体から泡になったことで、
・入れやすい
・我慢しやすい
・よく効く
・副作用が少ない
・持ち運びやすい
・・・と、良いことずくめで、UC患者さんの治療として今やなくてはならないお薬となっています。
ですが、使用するうえでいくつか問題点もありました。
それは、
・ボタン(ヘッド)が硬くて押しにくい
・お尻に入れるアプリケーターが硬い
・薬がちゃんと入ったかどうかが分かりにくい
といった点です。
レクタブルを使う際には、
立ったまま、
片方の足をイスや洋式トイレにのせ、
やや前かがみの姿勢で、
容器をさかさまにして持ち、
お尻にアプリケーターを突っ込む
・・・という、なかなかアクロバティックな体勢をキープしたまま、ドーム状の硬いボタン(ヘッド)を押さなければなりません。
とくに力が弱い女性にとっては、なかなか大変でした。
また、レクタブルのアプリケーター(おしりに入れる部分)は、これまでの液状の注腸製剤のものよりやや硬く、入れる時に痛いという声もありました。
そして、お薬がちゃんと入ったかどうかが分かりにくいことも問題でした。
入ったかどうかが分からないぐらい刺激が少ない・・・とも言えますが、入れたつもりでもちゃんとお薬が腸に噴射されていなければ、治療になっていません。
これを確認する手段がなかったのです。
そこでこの度、この3つの問題点を解決する「改良版」のレクタブルが登場しました。
・ボタンが押しやすい平らな形状になり
・アプリケーターが柔らかくなり
・かつ、半透明で泡が入ったことが確認できる
ようになったのです。
改良版の詳しい使い方については、メーカーの動画をご参照ください。
患者さんの声が届いて、より使いやすく改良されたレクタブル。
薬局の在庫が無くなり次第、新しいものに変わっていくと思いますので、使われた方はぜひ感想をお聞かせください。
西宮市田中町5-2西宮駅前メディカルビル3F
「ひだ胃腸内視鏡クリニック」院長 樋田信幸の公式ブログ
日本消化器内視鏡学会専門医
日本消化器病学会専門医、評議員
日本消化管学会胃腸科専門医