大阪のカレー文化
今日は久しぶりにグルメネタ、というかカレーネタを。
大阪のカレー文化って独特で面白いんですよね。
しかもどんどん進化してる。
ここ数年とくに熱いのが、大阪発祥で今や全国にもブームをまき起こしている「スパイスカレー」です。
兵庫県人は食べたことないという人もいるかも知れないので、まずは「スパイスカレー」とは・・・
定義はあいまいですが、ルーや小麦粉を使わず、フレッシュなスパイスと出汁(多くは和風だし)、そこにマッチするさまざまな食材を自由に組み合わせて作るサラサラ系のカレー・・・というのが一応の基本形でしょうか。
とにかく大阪人は新しいもん好きで、お客さんを喜ばせるのも好き。
「他には無いおもろいもん、いやおいしいもん作ったろ!」
・・・という大阪魂が、既成概念にとらわれない自由な発想でスパイスと食材を組み合わせることができる、いわば「何でもあり」のスパイスカレーという新ジャンルを作り上げたのでしょう。
その組み合わせは無限大。
個性的なお店が続々と登場し、今や大阪は全国一のカレー店舗数を誇る「カレー王国」です。
わたしも大学病院に勤務していた頃、午前の外病院の内視鏡バイト帰り(ぜんぜん帰りの方向ちゃうけど)に、色々と食べ歩きました。(←こらっ!)
これは有名な「ボタニカリー」さんのカレー。
この見た目のインパクトよ!
色鮮やかな盛り付けが映えまくり・・・
こんなんよう崩さんやん・・・(←いや、すぐ崩すけど)
見た目だけでなく、スパイスの爽やかな香りが食欲を刺激し、もちろん食べてもおいしい。
さらに副菜を「まぜまぜ」して味変するのも楽しい。
大阪人は「まぜまぜ」も大好きですからね。
なにせ、ミックスジュース発祥の地。
うまいもん×うまいもんは、大体うまい。
味の違うカレーを「あいがけ」して「まぜまぜ」するのも大阪発祥で、これまたスパイスカレーの醍醐味のひとつです。
そして、スパイスカレーと双璧を成す大阪独特のカレーで、忘れちゃいけないのが「甘辛カレー」。
最初「甘っ!」・・・えっ?いや・・・「辛っ!」・・・からの「かっらー#&$!!」ってなる油断ならんあいつです。
こっちも大好き。
その代表と言うか元祖が「インデアンカレー」。
なんと創業は1947年。
インディアンじゃなくてインデアンね。
見た目、ほぼ具なしのトロトロカレーで、かわいいお肉の塊が2個。
このお肉2個をお玉ひとすくいでキャッチしてルーをごはんにかけられるようになるまで、最低3年修行するんだとか。
どんな修行やねん・・・。
3年もカレーとお鍋とお玉に向き合える気がせんわ。
でも、確かに店員さんのご飯の盛り付け(これもご飯専門のスペシャリストがいる)、ルーかけの所作には全く無駄がなく、見惚れてしまうほどかっこいい。
さて、カレーを口に入れると・・・甘いのは最初のひと口だけ。
時間差で口の中が火事、胃の中まで熱―くなり、のち滝汗・・・のツンデレならぬデレツンカレー。
けっこう「ツン」強めなのに、またすぐに食べたくなるという後引くなぞの中毒性。
スパイスと一緒に、なんかやばいもん入っとるんとちゃうか?
そして、なぜだかカレーの後の「水」が激ウマな件。(←インデアンあるある。ファンは激しくうなずいてるはず。)
ちなみにわたしは「ピクルス大、生卵のせ」派。
世の中にはインデアンスパゲティーしか頼まない「スパ」派もいてますが、あえての「ハヤシライス」を頼む「ハヤシ」派には未だに出会ったことがありません。(←インデアンあるあるその2)
そして、この大阪欧風甘辛カレーも、様々な派生をみせています。
今風に言うと「インデアンインスパイア系」、略して「インイン」。(←パンダかっ!言いにくいだけやわ。)
中でも、わたしのおすすめは「白銀亭」です。
お昼時は近隣のサラリーマンで行列必至の人気店。
そして、ここの王道はなんと言ってもカツカレー。
カウンター越しに丁寧な仕事でカレーが仕上がっていくライブ感を楽しみながら待つこと数分・・・
はい、どーん!
どないですか? この圧倒的な破壊力のビジュアル。
もう、見ただけで旨いの確定ですやん。
インデアンカレーにカツ乗せても、きっとそんなにうまくないはず。
ここのは、カツに絶妙に合う甘辛カレーなんですよね。
さらに、自家製の玉ねぎピクルスまで抜かりなく絶品。
あっ、甘辛じゃないけどカツカレーで思い出したのが、梅田の「渡邊カリー」。
「プレミアムとんかつカリー」は、肉厚ジューシーなとんかつ+サラサラスパイスカレーに黒いキーマカレーのあいがけ&パクチーという、スペシャルなやつ。
夢の競演すぎるやろ。
こんなもん、うまいにきまっとる!
けしからん!(←なんで?)
・・・はー、完全にカレーの口になってしもた・・・。
しかし、兵庫には納得のいくカレー屋さんって、イマイチないんですよねぇ・・・。
スパイスには新陳代謝を高め、抗菌や抗酸化作用などさまざまな効能があり、カレーという食べ物はまさに「医食同源」そのもの。
ウコン(ターメリック)に含まれるクルクミンという成分には、クローン病の腸の炎症を抑える作用があるとして注目されています。
クリニックやめたら、胃腸に良いカレー屋さんでも開くかなぁ・・・。
西宮市田中町5-2西宮駅前メディカルビル3F
「ひだ胃腸内視鏡クリニック」院長 樋田信幸の公式ブログ
日本消化器内視鏡学会専門医
日本消化器病学会専門医、評議員
日本消化管学会胃腸科専門医