大腸カメラは辛い? その①
みなさまが大腸カメラ(大腸内視鏡検査)に対して持たれているイメージは・・・、きっとあまり良いものではないでしょう。
「痛い」「苦しい」「恥ずかしい」などなど、できることなら受けたくない検査の1つではないでしょうか?
大腸カメラの歴史はまだ浅いとは言え、カメラ自体の性能はどんどん進歩しています。なぜ、そんな負のイメージが、いまだに払拭できていないのでしょうか?
一番の問題は、患者さんの苦しさにきちんと配慮できる内視鏡医がまだまだ少ない事です。
配慮するというのは、検査中に「鎮静剤を使って眠らせる」ということだけではありません。患者さんが「痛い」「苦しい」と感じるのは、カメラを無理に押し込んで腸が伸びたり、空気でパンパンに腸が膨らんだりした時です。これは、「軽い鎮静」ぐらいで感じなくなるという性質のものではありません。
しかし、熟睡してしまうぐらいの「強い鎮静」で痛みをごまかすと、事故につながる危険性があります。大腸カメラで患者さんが感じる辛さは、強い鎮静でごまかすのではなく、あくまでも内視鏡医がカメラを操作する技術で克服するべきものだと思います。
ところが、大腸カメラの技術というのはそう簡単には習得できません。そして、ただ単に内視鏡の数をこなしているだけでは、上達はしません。いまだに大きな学会で、大腸カメラの挿入に関するセッションが度々開かれ、いつも大盛況なのは、多くの内視鏡医がうまくいかずに困っている証です。
患者さんの苦しさにきちんと配慮できる内視鏡のスペシャリストは、ほんの一握りだと思います。
次回は、なぜ大腸カメラが難しいのかについてお話しします。