大腸がん検診は受けなきゃ損!
ここ兵庫では、残念ながら受診率が全国平均をかなり下回っている「大腸がん検診」ですが、はっきり言って受けなきゃ損です!
大腸がんの早期発見のために、日本では1992年より40歳以上の全ての国民を対象として、便に微量の血液が混じっていないかどうかを調べる「便潜血検査」による対策型検診(住民健診や職場検診)が行われています。
確かに、検便ってちょっと抵抗はありますよね・・・
はずかしい・・・、めんどくさい・・・
気持ちは分かりますが、今や、日本人が一番なりやすいがんは大腸がんですよ!
胃がんが減っていくこれからの時代、胃がん検診よりもますます大事になっていくのは大腸がん検診です。
便を調べるだけですので安全で体に負担はかかりませんし、何といっても安い!
自治体にもよりますが費用は500円〜1500円程度で、条件付きで無料のところもあります。
ぜひ、お住まいの自治体の検診について、ホームページなどでご確認ください。
2日間の便を調べることが大事で、どちらか1回でも陽性なら、大腸カメラで精密検査をする必要があります。
2日のうち1日分だけが陽性の時に、もう1回便を調べてそれが陰性なら大丈夫なんじゃない・・・は、絶対にNGです。
たとえ大腸にがんがあったとしても、毎日便に血が混じるわけではありません。できるだけ見逃し(大腸がんがあるのに検査が陰性になってしまう偽陰性)を減らすために、2日間続けて便を調べるわけですから、そのうち1回でも陽性なら、それは陽性なのです。
40歳以上の100人が便潜血検査を受けたとすると、陽性で引っかかる人はだいたい5〜7人程度です。
結果が陰性の場合でも、毎年繰り返し受けることが大事です。
今年の検査で陰性だったから、検査の間隔を2~3年空けても大丈夫だろう・・・はNGです。
1回の検査だけでは大腸がんが見逃される可能性があるからです。
毎年検診を受け続けることで、4分の3の人は救命可能な段階で大腸がんが発見されます。
でも、毎年きっちり受けている人って本当に少ないんですよね・・・
そして、陽性反応がでたときには、精密検査をちゃんと受けることが大事なのは言うまでもありません。でも、実際に受ける方は6割しかいらっしゃらないんです。
残りの4割の方は、検査で引っかかったのに、「大腸カメラは怖いな・・・」「たぶん痔のせいだろう・・・」「症状が無いから大丈夫・・・」などと放置してしまっています。
これだと、最初から検診を受けないのと同じで、大腸がんを早く見つけることも予防することもできませんよね。
では、便潜血検査陽性の方が大腸カメラによる精密検査を受けた時に、何%ぐらいの人に実際に大腸がんが見つかると思われますか?
答えは、3〜5%です。
「えっ、そんなに少ないの!」と思った方が多いのではないでしょうか。
実は、便潜血検査は偽陽性(実際には大腸がんが無いのに検査が陽性になる)が多いのです。
なぁんだ、がんばって大腸カメラを受けても95%以上の人に大腸がんが見つからないんじゃあ、余計に受ける気を無くすなぁ・・・
とは、思わないでください!
実は、ここに大腸がんを早く見つけるだけでなく、大腸がんに「なる人」自体を減らす大きな要因があるのです。
長くなったので、続きはまた明日に。(引っ張るな〜)
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「ひだ胃腸内視鏡クリニック」院長 樋田信幸の公式ブログ