呑気症② なぜ空気を呑み込むのか?
呑気症(どんきしょう)の一番の原因はストレスです。
「固唾(かたず)をのむ」という言葉があるように、人は不安や緊張を感じた時に無意識にゴクリと唾を呑み込みます。そして、唾を1回呑むごとに、3~5ccの空気を一緒に呑んでしまっています。
仕事や人間関係などでストレスを感じる状態が続くと、無意識に呑み込む唾と空気がお腹にどんどんたまり、夕方ごろになるとパンパンに膨れてくるのです。
そして、お腹が張ってきたと感じても、人前でゲップやおならは出し辛いものです。女性はなおさらですね。しかし、ゲップやおならを我慢すると、それがさらなるストレスになり、また空気を呑み込むという悪循環が生じてしまいます。
さらに、「歯の噛みしめ」もお腹に空気が溜まる原因になります。
リラックスしているときには、私たちの上下の歯は数ミリ開いています。しかし、日常生活のなかで無意識に奥歯を噛みしめるクセがある方は、唾液が喉に流れこみやすくなり、一緒に呑み込む空気の量も増えます。
無意識に歯を噛みしめるのは、なにも不安や緊張を感じている時だけではありません。運動したり、重い荷物を運んだりするときなどはもちろん、もっと軽い動作、例えばパソコンなどのデスクワークでも、姿勢がうつむき加減になることで、知らず知らずに軽く歯を噛みしめ、呑気症のリスクになります。
呑気症の患者さんは、同じくストレスがきっかけとなって胃の動きや膨らみが悪くなったり、知覚過敏が起きたりする「機能性ディスペプシア」を合併していることがよくありますので、呑んだ空気がいつまでも胃に溜まったままになり、胃のもたれや痛みを感じる方もおられます。
呑気症が起こりやすいのは次のような方々です。
・仕事や人間関係でストレスを感じることが多い人
・細かいことが気になり、不安を感じやすい人
・無意識に噛みしめるクセのある人
・早食いの人
思い当たる方は、唾を呑んでいないか?歯を噛みしめていないか?意識してみてください。
西宮市田中町5-2西宮駅前メディカルビル3F
「ひだ胃腸内視鏡クリニック」院長 樋田信幸の公式ブログ