とりビー
「とりあえず、ビール!」、略して「とりビー」。(←言うたことないけど)
ですが、全員「とりビー!」からのジョッキ片手に「かんぱーい!!」
・・・という宴会の光景は、今は昔。
あえてお酒を飲まないという価値観がZ世代で広がり、酎ハイ、カクテルから低アル、ノンアルまで、一杯目に頼む飲み物も今や多様化の時代なのだとか。
しか~し、昭和バリバリおっさん世代のわたくしにとっては、だれが何と言おうと「とりビー!」なのだ。
とくに、クソが付くほど暑いこの時期は、乾いたのどに最初に流し込むビールの、なんとまぁうまいこと。
キンッキンに冷えた黄金の液体と白い泡が作り出す8:2の黄金比。
唇に触れる滑らかな泡の心地よさ。
のどに冷たさとほろ苦さが染み透る爽快感。
思わず「かあああぁぁ~、うんまぁ・・・」と声が漏れる。
他のお酒では決して味わえないこの「のど越し」こそ、ビールの唯一無二の魅力。
これに勝る「一杯目」の飲み物はないのだ。
(「とりあえず」どころではないビール愛がダダ洩れしちゃってますが、何か?)
・・・とか語ると、めちゃくちゃビールにこだわっているように思われますが、実はそんなことはないんです。
こだわりと言えば、冷えてないより、冷えてる方がよいっていう程度。
銘柄は、サントリーでもアサヒでもキリンでもライオンでもゾウでも、要はビールなら何でもござれ・・・と言うか、正直たいして違いを分かってない。
ビールならお店で飲む「生」が一番!とおっしゃる方も多いと思いますが、実は、店の樽入りも、缶ビールも、瓶ビールも、中身は全部同じ「生ビール」だって知っていましたか?
日本で製造されるビールのほとんどは、熱処理をしていない生ビール。
工場から出荷される際に樽、瓶、缶のどれに詰められるかの違いしかありません。
お店で飲む樽の生ビールがおいしく感じるのは、サーバーでキンキンに冷やされ、グラスに理想的な泡の量で注がれて提供されるからなのでしょう。
逆に、ちゃんと管理できていないお店の生ビールは、ちっともおいしくない。
それから、ビールの味を左右する銘柄や樽か瓶か缶かよりもっと大切な要素は、飲むシチュエーションじゃないでしょうか?
忙しかった仕事が片付いた週末に飲むビール。
甲子園球場で試合を肴に飲むビール。
家でくつろぎながら晩酌で飲むビール。
町の中華屋でギョーザをつまみながら飲むビール。
サウナで汗を絞り切ったあとに飲むビール。
久しぶりに会う友人と昔話をしながら飲むビール。
休日の真っ昼間から飲む罪悪感と優越感が同居するビール。
どれも、最高。
しかし、気の進まない会合に参加したときなんかに飲むビールは、いっこもおいしくないし、進まない。
同じビールでも、おかれた状況で味わいが変わっちゃうんですよねぇ。
・・・とか考えながら、お盆の休日にサウナとビールと町中華を満喫する院長なのでした。
「ひだ胃腸内視鏡クリニック」院長 樋田信幸の公式ブログ
日本消化器内視鏡学会専門医
日本消化器病学会専門医、評議員
日本消化管学会胃腸科専門医
日本炎症性腸疾患学会専門医・指導医